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下北沢にて、ダウ90000を観る。②

 11月に入ってから、急激に寒くなり私も急いで冬服を出して通勤時に着ていける服を選ぶなんてしていた。しかし、去年の今頃は家に引きこもり、自分自身とひたすら向き合いながら転職活動をしていたこともあり部屋着のような服しかないことに気付いた。急いでZOZOTOWNを開き、暖かそうな服を選び、ポチっと。アウターも薄手のコートかダウンジャケットしかないのは分かっていたが、金銭的に諦め冬のボーナスに頼ることにした。別にお金が無いわけではない。

いや、無いのかな。
引っ越しとかしたら一気に無くなるんだろうなぁ。
とりあえず無駄遣いしないように大事に生きよう。
そんな日々。


 ちょうど今週は会社の外部研修受ける機会があり、在宅で受講しながら業務にあたっていた。そして、諸々仕事が終わった後、舞台を観に行く計画を立てていた。今年5月ごろに観に行った8人組のユニット「ダウ90000」の第二回単独公演が下北沢にある劇場で行われるというので、今回もチケットを取って観劇することにした。前回の感想を綴ったnoteは下記リンクから見ることが出来るので、チェックしてほしい。


 そして、当日。
 都会は朝から灰色で重たい雲が垂れ、雨が降っていた。
 午前中はそつなく業務と研修をこなし、諸々片づけたところでお昼過ぎに会場のある下北沢駅へと向かった。この日は昼と夜の2公演行われるという。1週間以上の日程、かつダウ90000の主宰の蓮見さんをはじめとしたほとんどのメンバーがM-1やTHE Wといったお笑いの賞レースの予選と並行して公演に臨んでおり、正直体調大丈夫なのかなとちょっと心配している自分がいた。
 とりあえず笑えないハプニングが起きなければとりあえずいいやなんて思いつつ、下北沢駅に着いた。
 開場までは時間があったので、駅近くの喫煙所で時間をつぶす。
 会場のキャパってどのくらいだっけと調べると170席強。狭い。
 チケットは即完売、当日券もないというので抽選倍率もだいぶ高かったのだろう。きっとぎゅうぎゅう詰めで観るんだろうなあと思い、会場ザ・スズナリに向かった。

 ベンチシートとミニチェア、パイプ椅子で構成された座席は前の客との間隔はだいぶ狭く、奥の座席に向かおうとする際にはだいぶ苦労しそうだと感じた。ただ、観客のほとんどはそんなこと気にしないほどに、今回の公演を楽しみにしているという印象。

 所々から、
「今回はどんな伏線を見せてくれるのかなぁ」
「どんなキャラをみせてくれるのか」
そんな会話が聞こえてきた。

 元々、100分の予定が120分にそして140分と公演時間が伸びていったので、私は、ケツの痛さを我慢しつつもどんな内容の詰まった創作をみせてくれるのかとワクワクしていた。

 予定から5分ほど遅れて開演。
 ダウにしては少し長い15分くらいのコントが8本立て。
 事前にX(旧Twitter)上で構成作家さんや芸人さんたちが、新しいダウが見れた、前回以上に面白かった、などと感想を載せているのを見ていたので、どんな感じなのか気になっていたが本当に面白かった。前回の公演はどちらかというとコントに近い演劇・舞台という感じだったが、今回は完全にお笑いに振り切ったコント。変に伏線やつながりがあるわけでもなく、ただそれぞれのコントに配役がしっかり振り分けられていて、各コントで一人一人が主役になるよう良さが活きるセリフや動きが非常に面白かった。

 ネタバレになるので細かくは書かないが、今回の公演で印象に残ったのはメンバーの身振り手振りの演技レベルがすごく高くなっていると感じた点。
 特に、吉原さんは元子役ということもあり、様々な表情を見せながらも間の取り方や客席に目線を向けて訴えかけるようなセリフの伝え方。中島さんの喜怒哀楽、上原さんの言葉に重さを乗せたセリフと演技の連動、忽那さんと飯原さんのサイコじみた奇々怪々のムーヴ。もっともだが、蓮見さんのコント然り演技というものへの凄まじいこだわりがコントの至る所に散りばめられており、なんでこんなにも楽しませてくれるのかと公演中常に考えてしまうほどであった。

 今後M-1やTHE Wといった賞レースが控える中で、ここまでの完成度を見せてくれるのだから、いい加減キングオブコントの決勝で観させてくれと思う。終演後も余韻に浸る人が多く、私も会場を離れたくないという感情に浸っていた。


 お笑いもそうだが、練りに練られた創作物はこんなにも人を満たしてくれるのだと強く感じた。だから私も、noteを通じて自身の経験をまとまらないながらも文字に起こして発信していきたいと感じ、旅行記も上げ続けようと感じた。


 来週は満員電車に揺られながら出勤しなければいけないが、正直今回の高揚感が続けば苦にならないのかもしれない。とにかく、次の公演を楽しみにしながら日々を過ごそうと思える素晴らしい公演だった。次はもっと大きいキャパで公演を行ってもらえたら嬉しいなあという一ファンである。


[追記]
これを書いている18日(土)の公演はメンバーに体調不良者が出たということで2公演共に中止となった。公演を楽しみにしていた方には気の毒ではあるが、これも8人全員で作り上げているからこそ替えが効かないことを体現しているのだろう。その心配と同時に、お体を大事にして安静にしてほしいと感じた。

 季節の変わり目ということで、皆さんも体調を崩さないよう暖かくして日々を過ごしていただけたら。


 さて、有給休暇旅行 大島編を書き切りますかね。


 終わり

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