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院内見聞録 入院シーズン3 2日目

2022年5月14日
5:10に一度目が覚めるが、そのまま二度寝。まとまって眠れたほうじゃないだろうか。おそらく、病室の扉が閉まっていたので、廊下の気配を感じずに済んだせいだろう。ちなみに今回もドアに一番近いベッドである。6時に起床のアナウンスがあり、電気がつく。まずはテザリングしてメールチェック。必要な返信をしたのちDuolingoでフランス語を1レッスンだけ。おそらく、リーグは降格するだろうが、連続日数だけはキープしたい。

朝食

今回の入院ではなるべくネットを使わないことにして、ずっと気になっているけどペンディングになっていた諸々を消化すべく、分厚めの積読本を3冊と長いTo doリストを持ってきた。まずは放置していたレシートを家計簿と弥生に入力。それからポッドキャスト用にすでに録音している2回分の編集をしようとしたら、イヤホンを挿しているにもかかわらず、スピーカーから音が出る! そうだ、思い出したけど数カ月前にも出張時に移動の新幹線で作業をしようとしたら、周りに音が出まくってて諦めたんだった。そのときはイヤホンジャックの不具合かと思っていたけど、そうじゃない。他のものは音が漏れないのに、なぜかAudacityだけがイヤホンが効かなくなっている。というわけでこの作業はまたしても持ち越しになってしまった。

昼食

ベッドの上でひとりで食しているときに、ふと昨日のイエナガ(*1)のことを思い出し、よっしゃ、マインドフルネスランチやとばかりにじっくりとお米を味わってみる。うん、こんなことしてたらいつまでたっても食べ終わらないね。

過去の日誌をさかのぼって書く。1/7だん。3年以上寝かせている翻訳の課題に取り組もうとするが途中で眠気が来て昼寝。検温に来た看護師さんがテーブルに出ていたスペイン語のテキストについて聞いてきたため、しばしスペイン時代のことなどを話す。「大人になってから外国に行くっていいですね。わたしたちは高校時代に決めた進路そのままに進んでるので」と言われたので、「国境なき医師団って手がありますよ」とサジェストすると「今まで考えたこともなかったけど、そう言えばそうですね」と言っていた。人はその気さえあれば、何歳からだってチャンスはある!

ところでまだ町田くんのことを聞いてくる看護師さんはいない。ちょっと置いてる場所が目につきにくかったか? あるいは気づいているけど黙っているのか? 

図書館で借りた「マジック・キングダムで落ちぶれて」を読む。返却日は明日のはず。すみません。舞台は22世紀だと思われるが、自分の記憶のバックアップを取っておいて、それをクローン技術で作った新しい自分の体に移植することで不老不死を達成した世界観は未来なんだけど、そのアップロードに使っている技術をブロードバンドでとか言ってるので、急に過去の物語のような気もしてくる。「バックロジャース」(*2)のときも思ったが、たいていの人間にとって想像力は今ある技術を発展させた程度にしか及ばないのだろう。そう考えると、この世にまったく存在しなかったものを発明した人たちはすごい。

夕食

夕食後、本を読んでいたらリマインダーがピコンと鳴る。博士ちゃんの時間だ。今回は5分前にテレビをつけたし、明るい場所でリモコンを操作できたのでクローズドキャプションは消せた。そしてワイプの町田くんばかり凝視していたため、チーズに関する内容はまったく頭に入らなかった。30分ぐらいで「太陽とボレロ」の告知もしたし、後半のワイプには3人しか映っていなかったので、出番は終了したものとみなしてテレビを消す。

その後、予約していたシャワーをする。そういえば昨日は初日だったので看護師さんが予約をしておいてくれたのだが、基本的には自分で予約することになっている。説明してくれた看護師さんに「手術の前日は必ずシャワーを浴びてください」と何度も念を押されたのだけど、いやいや、前日だけじゃなくて医者が許す限り毎日浴びますて。でも、お年寄りの患者さんの中には「今日はいい」とか言って、何日も浴びない人がいるんだろうな。それは容易に想像できる。22時の消灯と共に就寝。


  1. 金曜の夜にNHKでやっている「漫画家イエナガの複雑社会を超定義」のこと。町田くんは売れない漫画家という設定だが、毎回、高そうなお召し物が超お似合い。https://www.nhk.jp/p/ts/1M3MYJGG6G/

  2. 時代設定は25世紀だが、制作年が1939年(戦前!)のSFなので、何でも光線銃で解決し、調べ物は書物!! なぜなら、まだコンピューターの概念すら存在していないから。(だってエニグマができたの第二次世界大戦中ですやんか)


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