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コロナ危機のおかげでできること

こんにちは。ついに私が住む南ドイツでも外出禁止令の一歩手前くらいの段階に来ている。お店は食糧品、銀行、薬局等の生活必需以外は閉店を余儀なくされ、レストランもテイクアウト以外は不可、3人以上の公的な場での集まりも罰金付き制限が課され、可能な限り家にいなければならないこととなった。近くの広場では数日前に若者が集団で騒ぎ、警察が散らす(=帰宅させる)という事態も発生し、コロナパーティーなどとニュースでは批判されている。1年の大半を占めるドイツの暗く長い冬がようやくあけて、春の快晴の陽気ともなれば、外で騒ぎたくなる気持ちもわからないではないが、今の時期はあまりにまずかろう。

毎日暗いニュースばかりでラジオ、テレビはあまりつけたくないと思ようになった。それでも、このコロナ危機のおかげといってはなんだが、これほど自宅にいることはドイツに来てからなかったので新鮮だ。ホームオフィスはメリハリがつけにくい、という点はあるにせよ。

そして何より趣味のピアノの練習の時間が毎日(!)持てることが何とも嬉しい! ピアノはこども時代に田舎のピアノ教室で10年という期間だけは長く習ったものの、高校入学時に辞めていた。それを●十年ぶりに再開したのが、数年前ドイツに移住した際のこと。ドイツで音楽大学に行かれた日本人の先生についてレッスンを受け始めた。今レッスンを受けているのはベートーベンのソナタ悲愴、ラフマニノフのプレリュード「鐘」という超定番?路線であるが、昔はあれほどしなかった練習を土曜日もしている自分が可笑しくて! 

ちなみにエチュードはモシュコフスキー15の練習曲を先生に見てもらっている。ピアノを再開した際は昔のツエルニーの楽譜からやり直し(汗)。こちらの学生さん(趣味でのピアノ)にはエチュードは特に与えないそうですが、エチュードもやはりしたいと思うのは日本人気質なのかな・・・。

しかしピアノを再開した時の初回・体験レッスンの緊張といったら。「前に習っていた楽譜を持ってきてください」と言われ、「じゃあこれ弾いてください(ソナチネ?だったかな)」と言われても、全然弾けないの。それを思えば、現在は少しずつ進化している気がする。先生は「脳みそは衰えないんですよ」とモチベーションが湧くことを仰ってくださる。「息をして」。「もっと歌って」。「どういうイメージで弾きたいですか」。この数年で引越の事情などでドイツでは二人の先生に見てもらったが、教え方に多少の違いはあれど、エッセンスは変わらない。本場ドイツで揉まれたピアノの先生の前では本当に小学生に戻った気持ちになる。学ぶことが毎回あり、自分を解放する場でもあり、週1のレッスンはいまや私の生活には欠かせない空間。一時期仕事の都合でレッスンを受けられない時間があったが、あの時は辛かった。

コロナ危機の中、プライベートレッスンなので現状でもピアノは継続できているが、今後はどうなることやら。スカイプレッスンなどに切り替わることもあるのかなと思ったり。

レッスン前に立ち寄っていたカフェも一時閉鎖されることになった。サラリーマンの俗っぽい時間から「音楽」の時間に切り替える貴重な空間だったので、仕方がないとはいえ残念。

今のように時間がゆっくりある時にする練習も良いが、やはり仕事の忙しい合間にする練習もすでに懐かしい。本当にワガママですみません。

1日も早く世界のコロナ危機が収束して、誰しもが普通の生活に戻れますように! 

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