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ローマ~プラハ 電車で3週間の無計画女子一人旅 11日目

2019年3月15日

完全なる二日酔いで頭が若干痛いし、胃は重い。
こんな大学生ばりに飲んだのは久しぶりだ。

気だるい頭を無理やり起こして身支度をしていると、泊まっている宿泊先のベルが鳴る。
貸しアパートの管理人かな?と思い、ドアを開ける。

昨日の山高帽のキザな男がいた。
なんとなく、昨晩の馬鹿騒ぎに彼がいたのは覚えているし、彼とはたくさんアレコレ話したのも覚えているが、どうしてここに?

「昨日言ったろ?今日は俺が案内するよ。ムラーノ島もブラーノ島もまだなんだろう?さぁ、行こう!」

半ば強引に、彼は私を連れて歩きだした。

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アレ?昨日、ドゥカーレ宮殿で見かけた屋根付きのゴンドラだ。
しかも人が乗っている。

聞けばあそこには有名な本屋さんがあって、そこの備品らしい。
アクア・アルタ(ヴェネチアの街全体で起こる冠水)が起こった際には、あのゴンドラに船を載せて避難させるらしい。
つまり、乗って楽しむためのゴンドラではないからOKてことなんでしょう。

さて、まずはムラーノ島に行くとのことでヴァポレット乗り場に到着。
写真は撮り忘れたが、ここでトラメッツィーノというサンドイッチをバスの時間まで朝食として食べた。
トラメッツィーノというのは、いわゆるパニーノとは異なり、日本のサンドイッチを同じように食パンで作ったサンドイッチのこと。

さて、ムラーノ島に到着。

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ムラーノ島は「ムラーノガラス/ヴェネチアンガラス」の工房が集まった島で、島内のあちこちにはガラス工房が並んでいる。
大昔、ヴェネチアンガラスの製造技術が他国に流出しないためにガラス職人たちをみんなここに移住(監禁)させたことで、ガラス職人たちが多く暮らす島となったらしい。

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広場にはヴェネチアンガラスで作られたツリーのようなモニュメントが飾られていた。

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この色ガラスはすべて色付きの鏡になっているのだが、この製造技術を持った職人の逝去により失われた技術だと言う。

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独創的なモニュメントもムラーノ島ならでは。

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一部、無料で一般公開しているガラス工房があった。
炉の暑さがここまで伝わる。
寒さの残る3月だというのに、ここは真夏のような温度だ。


さて、港近くのカフェでサラダを食してから(また写真忘れた)今度はブラーノ島へ向かう。

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水上バスから見えた水上の廃墟。
『千と千尋の神隠し』に出てきそうな雰囲気。

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こういう廃墟がけっこうある。
昔はあそこに住んでいた人もいたんだろうなぁ……


さて、ブラーノ島に到着。

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ブラーノ島の名物といえば、カラフルな家並み!
インスタ映えするとかで一時期話題になっていたらしい。
そのせいか「壁に足をつけるな」という注意書きが多い。

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家がカラフルなのは、漁に出た家族が遠くからでも自分の家が分かるようにそれぞれ独自の色で装飾したことが起源となっていると言われる。

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おもちゃみたいな町並み。

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フワッフワのにゃんこ。
ヴェネチアは人になれた猫ちゃんがいっぱいいる。

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特に派手な家だったここ。
なんでもアーティストのお家らしい。


さて、今日最後の秘密の島へと山高帽の男が連れて行く。

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トルチェッロ島。

沈みゆく夕日に浮かび上がる、枯れ枝のシルエットが怪しい。

トルチェッロ島とは、ヴェネチア発祥の島とも言われており、この数々の島の中で最も古い島だと言われている。
日中は観光客で賑わっているらしいが、夕方にもなるとまったく人の気配がない。静かだ。

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一本道がただ続くだけの島。
途中で一本の欄干のない橋がある。名前を『悪魔の橋』と言われており、大昔にとある女性が亡くなった恋人を生き返らせるために悪魔と取引をしたという伝説があり、その際悪魔と待ち合わせしたのがここだったらしい。

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夕焼け空の中に浮かぶ家の明かりがルネ・マグリッドの絵画のよう。
そう、昨日見たあの絵と同じ景色だ。


魔法のようなトルチェッロ島、一番気に入ったなぁ。
さて、山高帽の男と共にヴェネチア本島に戻る。
昨晩の二日酔いがまだ残っているのか、あまり腹は空かず夕飯は食べずにそのまま宿に帰った。

魔力いっぱいのヴェネチアに魅了されて予定より1日延泊することにした。
さて、明日は何をしようかな。

「明日も俺が案内するよ」


え、マジ?




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