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感覚過敏対応への手がかり

1.感覚過敏という言葉は聞いたことありますか?

歯ブラシをすると
髪の毛や爪を切らせてくれない
運動会のピストルや赤ちゃんの泣き声を嫌がる・怖がる
などの、身体に入る刺激(感覚)に対する拒否・拒絶反応をさします

これらは、我慢して耐えることで克服するものではありません

冷たいもので歯がしみる 我慢して克服しようとしますか?
歯科で治療したり、冷たいものを避けるなどして生活を送る人が多いのではないでしょうか?

今回は、感覚過敏について深掘りして見ましょう

脇腹や足裏に触れると
「くすぐったい」と反応する子ども多いですよね。
これも感覚(触覚)過敏の一つなのです。


2.古代ギリシャの哲学者であった
アリストテレスっていう人が面白いことを言い出しました


「なぜ自分で自分をくすぐれないのだろう?」


たしかに普段くすぐったがる子どもも、
自分でくすぐると平気だったりします。

あれ!?歯ブラシを嫌がる・髪の毛を切らせてくれないなどの
過敏なお子さんへの対応方法として、一つのヒントになるような気がしませんか?


自分でくすぐっても平気なのは・・・

 『あらかじめくすぐりを予測できるから』なのです

*ここから専門用語を使います (読み飛ばしてください)
「くすぐりを予測する」には小脳の働きが重要なのです。
小脳は普段、バランスをとる。手足を滑らかに動かす。器用に使うなどの働きをしてくれます。

「くすぐったい」が起こるメカニズムを因数分解すると
①脳→筋肉→くすぐり運動→体性感覚→くすぐったいと感じる
②脳→小脳→感覚の予測→比較→他人のくすぐり
              →自分のくすぐり→体性感覚→特にくすぐったいと感じない

②の予測と①の刺激を体性感覚で照合され、この感覚は自分の運動が引き起こした感覚と判断される
自分の運動が原因が生まれる感覚については無視して、それ以外の事物の動きに注目することに力を注ぎます


3.「歯を磨く動き」が自分の運動が起こした感覚と予測

自分で認識できるようになると、口の中での不快な感覚が無視できるようになり、結果平気な刺激になるのかもしれません

4.結論

□自分の身に振りかかる刺激や感覚を一度経験して「知っている」にする
□感覚の記憶と予測に「小脳」が関係している


5.療育や家庭でできる支援は・・・

歯ブラシ:普段から色んな素材を口にして楽しむ
髪の毛:自分の髪の存在を知り、触れたり・おもちゃを乗せて楽しむ
爪:自分の爪の存在を知り、触れたり・ペイントなどして楽しむ
ピストルなどの音:それぞれ音の存在を知り、触れる・事前予告する

五感への支援は・・・
触覚:色々な素材を自ら触る
味覚:色々な味・温度・食感を自ら試す
聴覚:色々な音を自ら出す
視覚:色々な動きや変化を楽しむ
小脳:バランス遊び・手で操作おもちゃを楽しむ

など日常的に存在を知って、操りかた(遊び方)を知っておくことで
物事の予測が立てられ、身体が受け入れてくれるようになるのかもしれません


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