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きれいなひかり

あの頃に戻りたいと振り返る過去はわたしを引き留めるのに十分な輝きを放っていてわたしはそこから目が離せないでいた。

欲しい答えが返ってくるように言葉を投げかけるのが得意だ。
と、思っていたけど、思い返すとそんなのは私の特別な能力などではなくて、全て自分の想定の範囲内で生きているからだということに気づいた。
思考は現実化するなんてビジネス本や自己啓発本に書いてあったりするけど、それもきっと著者の生きる世界ではそれが叶う可能性の中で生きているから。だからこそその選択をチョイスできるんだと思う。


いや、やっぱり私は返事を先読みするのが得意かもしれない。
君の目の奥が私に訴えていたから、私は君に「そうだね」と言わせるための言葉を選んだんだ。君が求めた言葉を口にしたんだと思う。
わかったことは、それは私が本当に望んでいる答えじゃなかったってこと。
受け入れ切れると思っていた。
泣かないでと困った顔で言われて、私はこんなことまで傷つく必要があるのか、などと考えていた。


いま、決して不幸なわけではない。
この先で今を振り返ったときに、同じように綺麗な光で包まれた思い出になればそれでいい。

まばゆい、まばゆい。
「綺麗だね」って、目を逸らして
ただ、それだけ。

2021.6.15

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