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スターバックの本棚・「火星探險」

「火星探險」
旭太郎(小熊秀雄)作、大城のぼる画
原版発行:中村書店、復刻版発行:丸善

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この名作漫画はなんと1940年、つまり戦争が始まる前年に刊行された作品だ。手塚治虫や小松左京が少年時代に夢中になったという。手塚は「不幸な時代にSFの原点をつくった」と評している。内容も興味深い。天文台で二人の学者が「火星人はいるか」を巡ってコミカルに論争をする。そしてその一方の息子・テン太郎が、猫のニャン子と犬のピチクンと共に夢の中で火星へ行き火星人に歓待される。この漫画から80年が経ち、さすがに運河や火星人は否定されたが、火星に生命がいたのか、いるのかは、まだ分かっていない。その決着をつけるため、今年7月、Perseverance(Mars2020ローバー)火星へ旅立つ。イマジネーションは時を超えるのである。

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小野雅裕
技術者・作家。NASAジェット推進研究所で火星ローバーの自律化などの研究開発を行う。作家としても活動。宇宙探査の過去・現在・未来を壮大なスケールで描いた『宇宙に命はあるのか』は5万部のベストセラーに。2014年には自身の留学体験を綴った『宇宙を目指して海を渡る』を出版。
ロサンゼルス在住。阪神ファン。ミーちゃんのパパ。好物はたくあんだったが、塩分を控えるために現在節制中。

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