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THE VOYAGE 火星特別号

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記事一覧

火星のサンタ

あと何回、みーちゃんのサンタさんをできるかな。プレゼントを買うとき、そんなことを思った。…

火星ローバー運転士見習い

6週間の育児休暇が明け、職場に戻った。ふたつの相反する気持ちが心に同居していた。もっとゆ…

火星が燃えている-2018.8月号Twinkle Twinkle Anecdote 2

火星が夜空に燃えている。7月31日の大接近、ご覧になられただろうか?まだ遅くない。向こう数…

パーサヴィアランス火星走行ログ

この1ヶ月、パーサヴィアランスが火星を快走している。 2021年2月18日に着陸してから2022年3…

戦地の子どもに歯の妖精は来るか〜私は火星の岩です

西欧圏にはtooth fairy (歯の妖精)という妖精が住んでいる。乳歯が抜けた子どもがその歯を巾…

宇宙移民時代に地球語はどうなる?

ある朝、いつも通りベラベラ喋りながら歩いてミーちゃんを学校に連れて行ったのだが、学校が近…

宇宙探査も子育ても試行錯誤

火星ローバー・パーサヴィアランスがついにサンプル採取に成功した。 先月のTwinkle Twinkleでは、初のサンプル採取がいかに失敗したかを書いた。ハードウェアもソフトウェアも完璧に動作したのに、岩が予想外に脆くて掘削中に粉々に砕け散ってしまったのだ。 地球ならば、地質学者がハンマーで岩をちょっと叩いてみればすぐ分かることだ。指で引っ掻くだけでも分かるかもしれない。人間には五感がある。パーサヴィアランスは一感(視覚)のみで適した岩を探さなくてはならない。これが他の惑星

火星の秘密、地球の秘密

僕らはまだ火星を全然知らない。そう思い知らせる出来事があった。 ここまで絶好調の火星ロー…

火星での「はじめてのおつかい」〜パーサヴィアランス初の自動走行の裏側

火星ローバー・パーサヴィアランスの自動走行が、ついに始まった。僕が2年をかけて書いたプロ…

火星”衛星”探査計画MMX

皆さんこんにちは!JAXAの井上です。 今月は、月は月でも火星の月!火星衛星探査計画MMXについ…

火星の旅、人生の旅

先月のメルマガ発行日早朝の火星ローバー・パーサヴィアランスの着陸を、みなさんはご覧になっ…

初飛行目前!火星ヘリコプター・インジェニュイティがつなぐライト兄弟の夢

1903年12月17日。ある自転車屋の兄弟が歴史を作った。ウィルバー・ライトとオーヴィル・ライト…

パーサヴィアランス〜火星に降り立つ僕の夢

殆どの人にとって人生は、億万長者や大統領になるには短すぎるが、謙虚な夢をいくつか叶えるく…

着陸まで1ヶ月!新米火星ローバー管制官の奮闘記

あと1ヶ月で、火星ローバー・パーサヴィアランスが着陸する。NASAジェット推進研究所(JPL)は日増しに忙しくなってきた。 クリスマス休暇直前に「オペレーション・レディネス・テスト」、通称ORTと呼ばれる訓練が行われた。ローバーが火星から送ってくるデータを再現し、オペレーション(運用・管制)チームが本番さながらにデータを解析したりコマンドを送ったりする訓練だ。 僕はこのORTに、オペレーション・チームの新米として初参加した。僕はこの6年ほど、ずっとローバーを「作る」仕事を