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ベルナール・ビュフェ回顧展に行ってきました

今日は珍しく、美術品を見てきました。

以前にも渋谷の伊勢丹?かどっかでやってた現代アート展みたいなのたまたま通りすがりにみにいったことがあるんですけどね。

今回は電車の広告を見てちょっと気になっていて時間もできたので見に行こうと思って。

え、画像横なん……?

すみませんまだ全然note使い方慣れてなくて申し訳ない。

これはポストカード(会場内は当然撮影禁止)です。
ポストカードでもなんかすごい絵だなぁとは感じるんですけど、本物はこんなものじゃなかったです。

ベルナール・ビュフェとは

ベルナール・ビュフェ[1](Bernard Buffet, 1928年7月10日 - 1999年10月4日)は、フランスの画家。第二次世界大戦後の具象絵画の代表的な画家のひとり。
ビュフェは1928年、パリで生まれた。多忙の工場経営者の父のもとに生まれ、父親との関係は希薄であった。心の支えであった母を10代で亡くし、ひとりキャンバスに向かうことが多かった。1943年、パリ国立高等芸術学校に入学。1948年、パリで最も権威のある新人賞・批評家賞を受賞する。この頃からビュフェは天才画家としても有名であった。硬質で鋭く太い針金のような輪郭線、モノトーンに近い色彩を特色とする独自の様式を築き、その画面には人物の不安げな表情などとあいまって第二次大戦後の作者の不安で荒涼とした心象風景が表されている。女性像のモデルは多くの場合、後の妻のアナベルである。ビュフェは油彩画のみならず、優れた版画も多く制作している。1971年にはレジオン・ドヌール勲章を受章し、1974年にはアカデミー・フランセーズ会員となる。最愛の妻であるアナベルと生涯を添い遂げる間も、ビュフェの孤独が癒えることはなかった。晩年にはパーキンソン病を患い、ビュフェは1999年に自ら命を絶った。享年71。
ビュフェはあまりにも早い時期に名声を得すぎたためか、後年の作品にはややマンネリ化の傾向が指摘されるなど厳しい見方もある。日本には早くから紹介され、静岡県長泉町にはビュフェの作品のみを収蔵・展示するベルナール・ビュフェ美術館が1973年開館した。
引用元:Wikipedia

今まで油絵とかって正直ポスターやテレビとか本とかお宝鑑定団とかでしか見た事がなかったんですけど

実物のパワーたるやものすごいですね。

きっとどんなレンズを通したとしても絵画のもつパワーとかって言うのを表現することは出来ないんでしょう。
ゴッホすらまともに見た事はなく、今回のビュフェの作品が初めて大人になって意識して鑑賞した、というのもあるのかもしれませんが想像以上に楽しめました。

個人的な鑑賞ポイントと感想

こちらの回顧展はベルナールビュフェの作品の年代ごとに展示がされていて若い頃の作品から往年の作品へと、彼の人生の歩みと芸術性や技術の変化や進歩がわかりやすい様に並んでいました。

彼は10代のうちに母親を亡くし、芸術家としての活動も10代からスタートしています。

色味の少ないどちらかと言うとほぼモノトーンの様な、そして人間が描かれることが多い若い時代の作品は
少しずつ変化しやがて対象は人間から外れることが多くなります。

サーカスというシリーズを始めピエロなどの人間画がその後もあるにはあるんですが、タッチも異なるし、おそらく彼の中での対人への価値観のようなものの変化も感じました。

油絵だからこそ出来る技法と表現

ビュフェの絵は構造物を描いた風景画、テーブルの上に置かれたなにかの静止画、そして人物を描いた人間画、動物、昆虫、様々なものがありますが

街並みなどを描いた風景画は直線的な輪郭の線がとても印象的なのに対して生命を感じさせる絵はその輪郭がはっきりしていないというのが、1つ印象に残ったものです。当然ほかの画家の作品を知らないので特徴なのかそういうものなのかわかりませんが、水彩画では出来ない力強さや激情を表現し、時には荒々しく、時には凛として時には無機質で

建築物を描いた絵はデッサンも凄いんだろうし、普通にみて誰もがうまいと思うんだろうと思います。
僕はそれよりも花や生き物(人間以外のものが特に)の生命を描くことが凄く表現力があって素敵だなぁと感じました。

風景画でも、建造物が多いニューヨークと言った作品と、作品名忘れましたが木々や川の自然が前面に出された風景画では全く持つものが違っていて、彼が中期までに描いていた人物画のそれはどちらかと言うとニューヨークなどのそれに似た無機質さを感じる印象です。

それと黒の使い方が凄いです。黒だけじゃなく全体的に絵の具の使い方がすごく上手なんですが、黒なのに違う黒なんですよ。

Webでこの回顧展を検索すると、黒い帽子をかぶったピエロの絵が表示されると思うんですが、例えばこの帽子もシルクが巻かれている部分とそうでは無い部分の黒がはっきりと違うんです。

特に、妻のアナベルと出会ってから劇的に彼の作風は力を増したように感じます。

遠くから見たら写真のような風景画、静止画も近くで見るとそこに生命を感じる、油絵の凄さを感じましたね。

画像のポストカードは彼が老いと共に死と芸術への価値観を表したであろうとされる作品の中の一つ「死 16」です。
人の命は消えども芸術は後世生き続ける、というなんともかっこいい芸術家やと思って少しでも敬意をこめて。

個人的には、「えび」、「赤い花」、「汽船」、「ニューヨーク」、あと名前忘れちゃった自然の中にぽつんと家がある風景画と、死 ですね、この辺が琴線にめちゃくちゃ触れたかなぁと思います。

時代と彼の人生の背景とともに移りゆく作品の「回顧」があまりにも面白くて解説を読みながらゆっくり1周したあと、それを踏まえて2周目まわってました(笑)

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