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❝女性が活躍する!?❞プロのビジネス集団でありたい。

みなさん、こんばんは。

私は、「株式会社ピープルズ」という会社の執行役員及び経営企画部長であり、その子会社である「スーベニール株式会社」の取締役を務めています。
※私の自己紹介の記事はこちらをご覧ください。
⇒普通のOLだった私が、ある会社の社長になった、たった3つの理由。

少し前になるのですが、京都の金融機関の集まりで、経営者のみなさまの前で弊社の説明をさせていただく機会があったのですが、私がアピールしたい会社の特徴とは別に、たくさんご意見やお言葉をいただいたのが、会社従業員における女性比率が98%(180名中、男性社員が5名です)、女性の管理職比率が72%であるという部分だったようで、

「どのように、女性が楽しく働ける職場を作っているのですか」
「採用の際、意識していることはありますか」
「男性の方は肩身が狭いのでしょうかね?笑」
「女性が活躍できる職場、本当に素晴らしいことですね」
など、様々なご意見とご質問を頂きました。

私にとって当たり前でそんなに意識はしていなかった部分でしたが、本当にたくさんのお声をいただき、事業とは別の角度で企業として興味を持っていただけることはなんだか嬉しく、自身が社内で採用担当をしていることもあり、ここは会社のアピールポイントや会社を伸ばすポイントになるのではないかと思い、考えてみることにしました。
「女性と社会」という議題になると、私にはあまりにも大きな議論すぎるので、あくまでの「自社の仕事と女性」という枠で考えたいと思います。

念のためにお伝えしておくと、選考の際、男性だから女性だからという理由で結果や基準が変わることは一切ありません笑。比率が上ってくれて大いに結構だと思っています。(ちなみに、男性の5人目は今年の新入社員です。)新卒採用を設立からずっと毎年行っていますが、私たちの第一の採用基準として、企業側と選考される側の「入りたい!」と「入ってもらいたい!」の相思相愛を大切にしています。男性であっても女性であっても、そこは一緒です。
女性が多い考えられる理由としては、そもそもの募集母体に理由があります。特に新卒採用などは顕著ですが、スーベニールの扱っている商品が雑貨であることや、認知度が高いブランドが女性に好まれていること、グラフィック系のデザイナーを多く募集していることから、応募してくださる方の7割以上が女性ですので、自ずと入社してくれる方も女性が多い、という訳です。

さて、”女性”という切り口に話を戻しますと、まず前提に置いておきたいのは、みなさんもご存知の2016年4月に施行された「女性活躍推進法」(正式名称を”女性の職業生活における活躍の推進に関する法律”というらしいです。)です。
2019年6月に改正法が公布されたことで、ある一定規模の中小企業も義務化されたこともあり、最近もまた注目されることになりました。
10年という期間を定めて施行されたもので、厚生労働省のHPによると「働きたい女性が活躍できる労働環境の整備を企業に義務付けることで、女性が働きやすい社会を実現すること」を目的としている、とあります。

この背景には、各々の企業で女性が活躍できる職場環境が整えらているとはいえ、まだまだ完全に「女性が働きやすい会社である」とはいいにくいこと、そして、日本は国際的にみたときに、男女間の賃金格差が大きいことなどがあります。
色々調べてみると、特にこの賃金格差に関しては議論がなされているようで、男性に比べて勤続年数が結婚・出産を機に退職することによって短くなってしまうこと、役員や管理職などの地位にある女性の割合が諸外国に比べて低い水準にあることが関係しているとされています。
そこで女性の管理職の割合や就業率を向上させ、男女間の賃金格差を縮小する動きを進めるため「女性活躍推進法」が施行され、各企業で様々取り組みが行われることになった、という訳です。(もちろん、この法律があるからだけではないとは思いますが。)

例えば弊社にも、今年の2月に実家の農業を継ぐことを理由に会社を退職した女性がいるのですが、彼女が実家である仕事場に戻るまでは、職場に男性ばかりだったので、例えばトイレなども男女が使えるような形になっていなかったものを、彼整備したという話を聞きました。小さなことかもしれませんが、このような職場環境を変えていくことなどが様々な切り口で求められているのかなと思います。

今と昔とでは時代が流れていて変化していますから、上記にも書いたようにこの法があるからというだけなく、充分女性が活躍しはじめているとは思います。とはいえ、この期間限定の「女性活躍推進法」があるからこそ動き出した旧態依然とした制度などもあるかもしれません。私たちの会社は設立して10年経っていないので、そういった意味ではやりやすいというのはあると思います。ですので否定するわけではありませんが、私個人的には、女性が活躍できるようにしないといけないから法律作らなきゃ!という考え方自体に少し違和感を感じます。方向と順番が逆というか・・・。

自社をベースに考えたときには、そもそも普段の仕事の中で❝女性だから❞なんて、考えたことなんてありません。私たちが特殊なんでしょうか?いえ、別にそうではないと思うんです。もちろん先に申し上げたように、扱っている業態や商品が女性らしいというのはありますが、とはいえ、企業を運営していくには営業もしますし、交渉もします。弊社は倉庫も本社と併設していますから、配送も行っています。店舗の搬入搬出、車の運転が必要な時もあります。それらも男女関係なく取り組みます。他企業と同じように女性だけができる仕事、というのは特にありません。

ですので、変える必要があるのは別の部分だと思っています。
私は「仕事と女性」ということにおいての問題点は❝女性だから❞ではなくて、❝女性なのに❞にあると思っています。
例えば既に本社の管理職比率が72%で、店舗の店長は1店舗を除き全て女性ですから、リーダーになるチャンスはものすごくたくさん転がっています。女性だからなれない、ってことは既にないんです。
しかしここに別のハードルがあります。
「私は本当に、自分が指導者的立場になりたいのかな?」
「あの人みたいに頑張れるだろうか」
「結婚も出産もしたいしな」
「女性なのに、大丈夫かな」
というような、不安、重圧を受け止められるかどうか。自分なりに乗り越えて行動に出せるかどうか。

つまり女性が活躍できるかどうかは、あくまでも法や制度はその気持ちを後押ししてくれるものであって、本人がどのようなスタンスでいれるかどうかだと思うのです。企業に求める部分も必要ですが、発信はもっと働く側の人間からであるべきなのかなと思っています。

例えば、弊社の商品における責任者、チーフマネージャーである女性は、産休から戻ったあと、デザイナー部署からマーケティング部署に異動後、その立場になりました。今も保育園のお迎えがあるので17時には退社しますので、本人的には時間の制約があり大変だとは思いますが、私からみてきちんと仕事をしてくれています。
彼女は、元々デザイナーで入社しましたが、会社の変化や成長に伴い、やる範囲や責任も増え、今の立場になっています。会社の制度や彼女の主張に沿ったのではなく、自分自身の努力やスタンスで、会社での居場所を作ってきたからこそ今の立場があるのだと思っています。

他にも、新卒で入社して7年目の女性は、今年、結婚して東京に転勤することになりましたが、プレイコートが会社として設立するタイミングで、執行役員に就任しました。京都から東京、というだけでなく、コロナ禍で様々な環境が変わりましたが、その中でやるべき仕事と自身の働き方を決め、既存の管理から新しい事業の推進を行っています。

他にも色々と例がありますが、どちらのケースも、会社の元々の制度に沿っているというよりは、若い会社である私たちの会社で2人が作ってきた道です。この道のおかげで、「あの人みたいに頑張ってみようかな」と思う人が増えていく連鎖が起きていくといいなと思っています。

会社としても、そういう働き人でありたい、と思わせる会社でないといけません。企業側としても、そういった女性が頑張れる、愉しく仕事できる、キラキラできる職場でありたいと思いますし、必要な制度があれば、その都度更新していきたいと思っています。そうでないと、胸を張って女性が活躍している会社とは言い難いのかなと思っています。

そして社会が、女性が生き生きと男性と変わらず働いていることの違和感がなくなるようといいな思います。

もうひとつ、女性が成長できる教育体制もよく問題視されますが、それも制度で何とかなるものではないと思っています。業務内容とは違うし、学校じゃないのだから、誰かがリーダーになるための方法を教えてくれる訳ではありません。
一番の教育体制は、誰が何と言おうと、責任ある立場に身を置くこと。
実際に色々な波に揉まれること。これで嫌でも成長します。
いつも言っていますが、ちょっとした勇気で踏み出せる、仕事のステージです。

最後に。

私たちはプロのビジネス集団になりたいと思っています。
ホールディングス体制に切り替わって、会社がいくつかできて、どの会社も面白いことが生み出されていて、スピードがあって、仕事を楽しんでいて、華やかで、ビジネスマンとしてかっこいい。
男女関わらず、「あの会社で働いている人たち、キラキラしててかっこいいよね」って言われる会社になりたいと思っています。
自分の在り方を決めるのは、自分自身。今回は女性を切り口に記載しましたが、書いていて思ったのですが、それは男女変わらずそうなんではないかと思います。
評価は後からついてくる、制度は後推ししてくれると思って、他人ごとにならず、自分たちで、自分たちの会社をかっこいい会社にしていきたいなと思います。

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