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懐かしの社内コラム(そんなことおもてんけ)

みなさん、こんばんは。

私は、「株式会社ピープルズ」という会社の執行役員及び経営企画部長であり、その子会社である「スーベニール株式会社」の取締役を務めています。
※私の自己紹介の記事はこちらをご覧ください。
⇒普通のOLだった私が、ある会社の社長になった、たった3つの理由。

社内の取り組みとして、以前、社内コラムを総合職メンバーでやっていたことがありました。2017年の秋からでしたので、ちょうど新入社員など若いメンバーが増え、事業もおみやげ事業以外に広がっていこうとしていた時期で、それぞれがどんなことを考えているか、また先輩や上席者は、みなにどんなことを伝えたいかを発信でき吸収できる場所として「そんなことおもてんけ」というタイトルをつけて行っていました。
結局、内向きだけでなくもう少し外向けの発信にした方がいいねという理由と、内容に制限をつけていなかったので、直接仕事に繋がりにくいものも増えてきたね、となって辞めてしまったのですが、このコラムを書く・読むという行為自体は、とてもよかったなと思っています。

今日はその抜粋第1弾。毎回、私が日常のこととスーベニールの仕事を繋げて書いているものなのですが、今より若さのある文章ですが、考えていることはあんまり変わってないなと思ったので。
(ちなみに、写真は月1のコラム毎につけていたバナーです)

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児玉喜美香の04510(おしごと)コラム
vol.2「宝物とガラクタの狭間」(2017/10/12)

先週の日曜日、部屋の大掃除をした。


私はこの大掃除のことを「大人の階段イベント」と呼んでいる。
京都にきて13年、引っ越しを2回。
この「大人イベント」を多分50回くらいは繰り返してきている。

まず大体は目が覚めた気分で、今日は掃除しよかなと思う。
そんなときは珍しく朝からコーヒーを入れて、大好きな音楽をかけることでイベントはスタートする。

この音楽チョイスが、この後の作業効率に影響するから重要だ。


今回は、ラブサイケデリコの「LADY MADONNA」。

ゆっくりスタートして後からスパートをかけるときはこの曲が適している。
初めから飛ばして掃除する時はcapsuleの「空飛ぶ都市計画」。

GOING UNDER GROUNDの「トワイライト」はゆったりと感傷に浸りながら。
The JerryLee Phantomの「D.D.D.SCHOOL」はテンション上がるし、
(ただし、普段より余計にものを捨てがち)
Stereo Fabrication of Youthの「戦場の遠距離恋愛」なんかも最高に盛り上がる。

、、、どれも私が掃除をする際にリピートして聞いてきた音楽たち。
10年たっても変わらない。

大掃除とはいっても、見た感じのビフォアーアフターにあまり変化がないのがこの「大人イベント」の特徴だ。

クローゼットの中とか、本棚の中とか、テレビ棚の下のBOXとか、
はたまた鏡台やいろんな引き出しの小物、
いつの間にかに紙袋いっぱいに詰まった雑貨、
そういうものを、片付けたり揃えたり捨てたりする。

そうしているうちに、京都市指定もえるゴミ指定袋45リットルの袋があっというまに3〜5袋になる。

つい1年前まで「宝物」と思っていたものが、急に「ガラクタ」に思えて捨てられることもある。

例えば、中高で集めた「ゆず」と「椎名林檎」の雑誌の切り抜き。
必死で撮った「ハリガネロック」や「チュートリアル」「二丁拳銃」の出待ち写真。
25周年記念のディズニーランドのポップコーンの容器。
毎週きっちり録画してた「笑う犬の生活」のビデオとか。

そうかと思えば
素敵な包装紙や紙袋など、一瞬の愛が強くて捨てられない「宝物」もあるし、
もう着れないけれど、お気に入りのワンピースもずっとクローゼットにしまってある。

お父さんにもらった、浪漫飛行が流れるピエロのオルゴールや、
小学校から高校までの友達と授業中に交わした手紙の数々など、
(読み返すとむずがゆくて仕方ない)
10年経っても20年経っても変わらず「宝物」なものもある。

他には、そろそろいいかな、と思って捨てるものもある。
20体以上あったミッキーのぬいぐるみ(の一部)や、
なんで買ってしまったんやろと後悔する、
フェリシモの編み物キット。

その時の自分の使ったお金を考えると、捨てることがものすごく悪いことに思えて捨てられなかったものたち。
きっとこれは最初から「宝物」ではなくて、「宝物もどき」だ。
これらは時効を迎えると、捨てられていく。

大学時代のマーシャルのアンプやギターに繋ぐといい味だしてくれるエフェクターたちは、”いつか売れるといいな”という一生訪れない
”いつか”を待って、ずっとクローゼットの中にある。

これが私の、「大人の階段イベント」。

宝物を捨てることが、大人の階段のぼっている感じがして勝手にこう呼んでいる。
忘れたり、思い出を更新したり、思い返してみたりしながら物と思い出を整理していく。


さて、

会社が設立するまで知らなかったけれど、
スーベニールには
「お土産」という物の意味だけでなく、
「記念」という思い出の意味もあるらしい。


私は、物にはどんな物にも、思い出が紐づいていると考えている。

思いが強いものは、ずっと形としても残したくなるし、
薄れていくものは、いつの間にかにガラクタとなって捨てられてしまう。
だからこそ同じ物でも、紐づいている思い出によって
価値は大きく変わってくるし、それは人によっても全く異なる。

例えば、大好きな人にもらった500円のおもちゃの指輪は宝物だけど、
もう隣にいないアイツにもらった、キラキラ光る少し高価なネックレスは、
もう一生見たくない価値なんてない物かもしれないのだ。

そう思うと、観光地はワクワクドキドキが詰まっていて、
物の価値がグンっとあがりやすい環境であるとつくづく感じる。
カナダの心理学者、ダットンとアロンによって実証された「吊り橋理論」のように、
「京都むっちゃいいとこ!→ワクワクドキドキ→これかわいい!運命かも!」
となって買ってもらっている要素は大いにあるに違いないし、
結果としても出ている。

ん?それって、スーベニールは、観光地が栄えている限りは安泰なのでは・・・?


いやいや、つけ上がるなかれ。

忘れてはいけない。「大人の階段イベント」が行われる可能性を。
本当にその物は大切なものなのかを問いかけて、選別してくるのだ。

ここで選ばれしものになれるかがスーベニールの正念場だ。

そうなってくると、やっぱり品質にこだわった商品でないといけない。
そうすることによって、長く愛用してもらい多くの良い思い出を共有することができる。

ちょっとしたデティールにもこだわった商品でないといけない。
「かわいい!」と恋をした一瞬の強い感覚を、大切にしてもらうために。

あとは大抵は女の子しかわからない、雑貨の持つ不思議な力。
例えば、いろんな形のいろんな服のスペアやアンティークもののボタン。
小さな箱にぎっしり詰まったこのボタンの姿が愛くるしくて、
なんとなく捨てられない。
こういう、理屈では説明できない使えないけどかわいいもの=雑貨
の素敵な存在も忘れてはいけない。
猫だから売れる、桜だから売れる、では説明できない、
なんかかわいくて大切にしちゃうものたちになるために。

スーベニールが作りだすのは
物なのか思い出なのか。


そんなことを今、試されている気がする。

立ち止まっていられない。

では、また来月。


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先にも書いたように、結局、内向きだけでなくもう少し外向けの発信にした方がいいねという理由で辞めてしまい、外向けの発信もできぬままになっているのですが、ここはやはり経営企画部の私がなんとかせねばと思っています。社長が思っていること、事業のこと。ほんとはたくさんの人に伝えたいのですが、どうも私たちは発信が下手で、、、

今年、株式会社ピープルズが生まれ、ホールディングス体制となり、いくつかに分かれ会社も動き出しています。来年は「ピープルズ」のコーポレートサイトの立ち上げの中で❝発信❞というテーマで色々行っていきたいなと思っていますので、色々ホームページのこと、広告のこと、企業としての発信のこと、勉強していこうと思います。

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