見出し画像

謝罪スキル


テレビでは、謝罪会見を見かけますね。
謝罪会見は「謝罪パフォーマンス」とも言えます。

今回は、謝罪会見での謝罪ではなく、二者間の関係で行う謝罪について記事にしました。



【謝罪の種類】

謝罪には、2種類あります。

1つ目は、相手に、不快な感情体験をさせたことへの謝罪です。
もう一つは、自分の言動に非があった場合の謝罪です。

ほとんどの謝罪場面では、「自分の言動に非があった場合の謝罪」を行うでしょうが、冒頭にあった、謝罪会見は、1つ目の謝罪に当てはまると思います。
この1つ目の謝罪は、日本文化らしさが表れていると思われます。

日本文化では、ほかの人に頼み事をするときや感謝する時にも「すみません」という謝罪の言葉を口にする特徴があります。
謝罪の文化の中で生きているのかもしれません。


【謝罪に重要なのは、言語と非言語を組み合わせること】

以下のメラビアンの法則の記事に書いたように、謝罪する時にも重要となってくることは、言語と非言語を組み合わせることなのです。


【謝罪の気持ちを伝えるには?】

謝罪するような場面としては、「相手が何かしらに対して怒っていること」が前提条件です。
ここであなたがとるべき行動は、すぐに謝罪する前に、相手が怒っている理由、相手の主張を聴く必要があるでしょう。つまり、「聴くスキル」が求められます。

相手が怒っている理由や相手の主張を受け止めて、それを理解したことを表明することが大切です。
このような相手の気持ちを察することが抜け落ちていると、相手に謝罪の気持ちが伝わりにくくなります。
表面的な謝罪に見えるのも、これが原因かもしれませんね。

相手のことを理解した旨を表明した後、謝罪の言葉を伝えます。

謝罪の時には、言い訳はしない方が良いです。言い訳をするのなら、上手にしましょう。

【謝罪の効果】

謝罪される側は、
1)謝罪の内容 、2)声のトーンや表情、 3.)伝える順番などから、相手の謝罪が適切かどうかを判断すると思います。

相手に謝罪を適切にできた場合は、「攻撃抑制効果」が生じます。
攻撃抑制効果をもつ謝罪の様式は6種類あります。 

1. 「ごめんなさい」と だけ言う
2. 「どうもすみません」 と言う
3. 自責の感情を表出する
4. 被害者に助けを申し出る
5. 被害者の許しを乞うために何事か言ったり行ったりする
6. その状況に対して自ら厳しく批判する

Schlenker, B. R. & Darby, B. W. (1981). The use of apologies in social predicament. Social Psychology Quar ter ly, 44, 271- 278.


【謝罪の仕方】

謝罪する場面、ただ単に「すみません」では許してもらえない状況があると思います。

そのような時には、以下のことを実践してみると良いかもしれません。

「相手の気持ちの理解」+「謝罪の言葉」+「改善策や代替案の提示」+「改善の約束」+「約束の実行」です。

まず、相手の要求を理解してから謝罪することが大切であるというのは、先ほど書いた通りです。

その次に、相手からの要求がある場合、それに対するこちら側の改善策を提示し、改善することを約束します。

そして、約束したことを実行することです。

特に、働く上では、「すみません」で済むことが少なくなると思いますので、
謝罪した後も目に見える行動で、反省の気持ちを示し続けることが必要かもしれません。


【謝る側と謝られる側の感情】

謝る側と謝られる側には、「感情の食い違い」があります。

謝る側にとっては「50」くらいと見積もっていることが、謝られる側にとっては「80」くらいの出来事だったりすることがあります。
「50」くらいの認識で謝った時に、言い訳などをしてしまうため「30」くらいの謝罪になってしまうということがあります。
相手は「80」くらいに感じているわけですから、感情にギャップが生まれるのも当然です。
そのため、「謝ったのに」「誠意がない」といった感情の食い違いを避けるために、相手の気持ちに寄り添うことが、その後の相手との関係を決めると思います。

謝罪をして許してもらえるのとこじらせてしまうのでは、その後の関係性に大きな差をもたらします。
いざという時に備えて、上手な謝罪の仕方に慣れておきましょう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?