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八木洋介さん×人事労務コミュニティin関西「コロナが炙り出した人事課題」


2020年11月25日、元株式会社LIXIL副社長で株式会社people first代表取締役の八木洋介さんをお招きし、人事労務コミュニティin関西にてお話頂く機会がありました。今回は、八木さんに頂いた「コロナが炙り出した人事課題」のお話を、私の視点も交えながらざっくばらんにご紹介していきます。

1.人間は社会的動物である
COVID-19は経済的に見て世界恐慌以来のインパクトであり、「個人として自分で何かをしないといけない、始めないといけないと」感じた人も多い。サバンナで協力し合って狩りができたからこそ人間は進化して生き残ってきた。人間が、みんなで一緒に仕事をしたいと思うのは当然なこと。果たしてリモートワーク100%は本当に大丈夫なのか?

2.脱・戦後のエコシステム
日本が、変化の激しい環境の中で勝っていくためには構造的な問題に目を向けなくてはいけない。戦後から変わらない「アメリカを真似ることで一致団結して、経験を積んで成長していくエコシステム」。そこで重要視されたのが「協調性」、そこで生み出されたのは会社に従順な、男性を中心とした日本の「サラリーマン」…

3.構造改革の必要性
日本企業を今こそ変えていく事が必要。「ジョブ型にする」のではなく、日本は過去の文脈から面々と続く「メンバーシップ型をやめる」必要がある。目標管理だけで人を評価しようとすると歪む。評価は基本的には「主観」であると認識して、フェアな評価のあり方を考えよう。

4.自立した社員の受け皿になれる企業へ
「やる気」は上げられるが、「実力」を瞬間的に上げるのは難しい。「実力」を上げていく流れが加速する。個人が自立していく中で、会社が「自立した個人」を受け入れる土台を作る必要がある。やみくもにキャリア研修をやっても、目覚めた社員は辞めていく。その受け皿で居られるような企業になってほしい。

5.エンゲージメントの高い社員を増やす
モチベーションは自分起点で持つことができるが、貢献したいと思える相手がいないと成立しないのがエンゲージメント。自主的に会社に貢献したいと思える「エンゲージメントの高い社員」を増やすことを考えたい。

自分の会社をこうしたいという「思い」がまずは大切であり、「思い」があるから目の前を通り過ぎる機会や違和感に気づくのだという八木さんの言葉が印象的でした。私自身も自ら会社を経営するようになり、大企業の中では気づかなかった本当に多くのことに気づける機会を得られるようになりました。一方で、誰も決めてくれない中で自分の「思い」だけが判断の拠り所であり、それがないと本当に何も進まないと感じています。集まった1人1人が自らの「思い」を問い直し、人事として何をしていこうかというエネルギーで繋がった濃い時間でした。

*人事労務コミュニティin関西とは
人事労務領域を担当している方々を中心に、在阪企業の人事同士で学びを深めたい、もっと人事の経営に対する貢献度を上げていきたいという想いで株式会社SmartHRとPeople Treesがスタートした人事コミュニティです。第1回・第2回のオンライン開催を経て、第3回はコロナ対策を徹底した上での初の対面開催が実現しました。


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