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風鈴

居間から見える景色を眺めていると
風もなく風鈴は静かに軒先にたたずんでいる
深緑の庭が風鈴と同化してしまった夏の一日

団扇を片手に母はいつものように世間話が終わらない
風鈴だけがうなずいているのかもしれない
時間の流れはゆっくりと
季節の溝に思い出を刻んでゆきます

仏壇にお参りしてゆきなさいよ、と
母が思い出したように告げる
いつもの風景だ
風鈴の音のように忘れた頃に耳に届く
季節の変わり目を教えてくれた

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