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ペンタNote

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思いつくままに
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#小説

秋色

景色の色が緑から黄色・赤へ変わるころ 心の景色も少しずつ流れてゆきます。 誰かと出かける楽しさや 同じ風景を見て繋がる気持ち。 心のレンズが映し出す秋色の風景 秋桜だったり、銀杏だったり 金木犀の香りに誘われて電車の切符を買ってみよう。 電車は東から西へ走る 海岸線の蒼いカーブを眺めながら 遠い岬の上には流れるような白い雲。 車窓に写る顔に 君はクスリと笑う 小学生の顔だねって。 時々遮断機の音が近づいては遠くに 2両編成の電車は空に向かって走る 側道を走る車を追い

生まれた街

車1台しか通れない路地が格子模様に伸びている 海辺の町の風景 小さい頃の記憶だけど 近所のおじい、おばあに見守られて育った 自分の家と近所の家の境が無い感覚 両親が忙しい時には隣の食卓で夕飯を済ませ 幼馴染と夕暮れまで過ごす毎日 日暮れ近くになると漁船の音が障子の向こうから聞こえる 17時を告げるサイレンが鳴る 何故か近所の犬も遠吠えを始める 大きな古時計がコツ・コツ・コツと音を刻む 当たり前の昭和の時間だった。 漁村の夕暮れ時は空が紅に染まる 水平線に僅かな雲を残しながら

1本100円と10本100円

100均でボールペンを買うと10本100円が当たり前。 つまり、1本10円なのだ。 当たり前のことだけど、何気に1本100円のメーカー製を普段は使っている。 時給の話では1時間950円で働く人と、正社員が時給換算で2000円で同じ仕事をやった場合に「結果・成果」が同じならば1時間950円の人を経営者は採用するだろう。 ここにITやICTが入りAIまでも入る。ロボットやプログラムに仕事を任せられるようになる。 ここで経営者は考えるだろう。 この仕組み(ロボット)はリース・原

ねぇ 聞いてる?

もう付き合ってどれくらい経つのだろうか いつものようにカフェで時間を過ごす たわいのない会話ばかりで、少しは先のことを話しても良い頃なのに スマホの画面を見ながらの相槌 慣れてしまった空気 意地悪く「ねぇ 聞いてる?」 君と出会ったのは暑い夏の新宿駅前 ルミネでお気に入りのお店に入り 買いもしないのに「似合う?」と聞いてきた。 友達の紹介だったのか、記憶は薄れている 「会おうよ」とLINEを送るといつも待ち合わせてくれた 君と過ごす休日は知らないことを沢山教えてくれた 電

過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。

色々人間関係で悩む。 会社勤めだと色々な思惑が交差しているから尚更。 ふと、占いをWebでやってみた。 「会社運」大凶 「家族運」大吉 あらら、会社が「大凶」だとは。 絶句しながら笑ってしまった。 色々と気を遣うから人間関係がツライことが多々ある。 そんな時にこの言葉に出会った。 過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。 少しだけ心が軽くなった。 もう一つ心が軽くなったのは、「鋼の錬金術師」でホムンクルスが 人間の欲の種類が実体化したもので、主人公に諭さ

これからの人生って

サラリーマン生活って 【当たり前だと思っていたこと】 〇給料で普通に暮らせると思うこと 〇会社の地位が社会の地位と錯覚していたこと 〇いつまでも会社に居られると思うこと 〇会社の同僚・先輩が友達だと思うこと 【いつまでも続くと思ってたこと】 〇通勤電車の生活が永遠に続くと思うこと 〇大人しく会社へ出勤したら給料が振り込まれること 〇会社も永遠に続くと思うこと 〇毎朝のラジオ体操で仕事が始まること 〇夕方6時になったら自由な時間になること 【自分の価値観】 〇会社以外に考

未来は意外な場所にあるのかもしれない

毎日のデスクワークに飽きた頃 窓の外を眺めたくなる。 自動販売機でコーヒーを買って屋上に出かけてみた。 オフィスでは聞こえない雑踏の音色が風に乗ってやってくる。 近所の保育所の子供の声やコンビニの自動ドアの音。 何もかも足元から聞こえてくる。 今日は何をやってたのかな? ひたすらパソコンのキーボードを打つ音の中 過去形になるのは夕方の頃。 スケジュール表に向かって何かを呟く。 今日は自分のための時間でいいよね。 会社の玄関を過ぎて近くのビルの谷間に消えてゆく 窓ガ

リモートサラリーマン生活

リモートで画面の中で会議が始まる。 初めての頃はいつもの会議室の雰囲気で忖度の縦横の時間が過ぎる。 数か月過ぎたリモートで疑問が始まる。 画面の向こうがバーチャルに思えてきた。 Wi-Fiで繋がっている風景がCGっぽく感じ始める。 時々画面が固まる上司がいる。 いつも感じていたのだけど、思考が停止する上司が見えるのだ。 何でもないような会議がプレステの画面と同じに見えてきた。 僕はどこにいるのだろう。 画面を見ていると冷や汗が出る。 もしかしたらAI上司と話している