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生まれた街

車1台しか通れない路地が格子模様に伸びている
海辺の町の風景
小さい頃の記憶だけど
近所のおじい、おばあに見守られて育った
自分の家と近所の家の境が無い感覚
両親が忙しい時には隣の食卓で夕飯を済ませ
幼馴染と夕暮れまで過ごす毎日
日暮れ近くになると漁船の音が障子の向こうから聞こえる
17時を告げるサイレンが鳴る
何故か近所の犬も遠吠えを始める
大きな古時計がコツ・コツ・コツと音を刻む
当たり前の昭和の時間だった。

漁村の夕暮れ時は空が紅に染まる
水平線に僅かな雲を残しながら
夕日が街を染める
教会の高い塔が
この街の時間を刻んでいた
西海の街は令和になっても
静かに時を刻んでいる。

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