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ねぇ 聞いてる?

もう付き合ってどれくらい経つのだろうか
いつものようにカフェで時間を過ごす
たわいのない会話ばかりで、少しは先のことを話しても良い頃なのに
スマホの画面を見ながらの相槌
慣れてしまった空気
意地悪く「ねぇ 聞いてる?」

君と出会ったのは暑い夏の新宿駅前
ルミネでお気に入りのお店に入り
買いもしないのに「似合う?」と聞いてきた。
友達の紹介だったのか、記憶は薄れている
「会おうよ」とLINEを送るといつも待ち合わせてくれた

君と過ごす休日は知らないことを沢山教えてくれた
電車でしか過ぎたことがない町並みも
二人で歩くとビルの窓の形さえ新しく見えた
思い出が会うたびに増えて
山手線の駅のように繋がっていった

当たり前だと思う時間が幸せなのだと
若い頃の僕は気が付かなかった
今日もいつものカフェで

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