コーヒー豆のDegassingについて調べたら、おもしろすぎた

みなさん、こんにちは。

毎日コーヒー淹れてます。今日は、コスタリカのブラックハニーを飲みました。
今日はいつもよりゆっくりと、えぐみが出ないギリギリの、甘みが引き立つ淹れ方をしました。
ナチュラルに近い、果実感の感じる甘みが出ました。

コーヒー豆をDegassing!?


さて、今日はコーヒーのDegassingについてです。

Degassing??

なんだそれとなりますよね。笑
Degassingを分解してみると。

De + gassing (取り除く + ガス)

つまり、Degassingとはコーヒー豆に含まれているガスを取り除くことをいいます。


みなさん、コーヒー買ったときに、こんなことを耳にしたことないですか?

「焙煎したてのコーヒーは、数日置いてから飲んでくださいね」

これには、Degassingのことが考慮されています。
コーヒー豆を焙煎すると、二酸化炭素などのガスが豆の中に発生します。
ハンドドリップで行う「蒸らし」の作業は、このガスをコーヒー豆から放出する作業なんです。
新鮮過ぎるコーヒー豆だと、ガスがたくさんで、お湯がコーヒー豆と混ざることができなくて、うまくコーヒーの成分が抽出されないんです。

だから、Degassingが必要なんです。



Degassingってどれくらいの期間すればいいの?


じゃあ、Degassingってどれくらいしたらいいの?って話になりますよね。
これに関しては、焙煎後3日、1週間、3週間と、コーヒースタンドによってバラバラです。

つまりは、そのコーヒー豆を焙煎した人が「一番おいしいと思ったDegas期間はここだ!」ってところを教えてくれてるんです。
好みなんですよね。
それがコーヒーのおもしろいところでもあるんですが…!

ちなみに、僕が働いてるコーヒースタンドでは、焙煎後1週間~2週間のコーヒー豆を使っています。
どれもおいしいコーヒー豆を取り扱ってますよ。

でもね、ここからがコーヒーのおもしろいところなんですけど、コーヒー豆の種類によって、おいしいと思える時期が違うんですよね。
ブレンドは1週間後のが一番おいしいんだけど、タンザニアとボリビアは2週間後のがおいしいとか、そんな違いがあるんです。

最近それが不思議で仕方がなかった。
浅煎りだと、2週間くらいがおいしいのは、Degasのスピードが遅いから?
逆に深煎りだと、Degasのスピードが速いから、1週間くらいがおいしいのか?

いろいろ考えたんですけど、僕は数字で見たほうが納得しやすい性格なので、Degassingについて定量的に分析してるものを調べてみました。



焙煎度合によるDegasの速さの違い


コーヒー豆の違いによって、Degasに差はあるのかなと思って、
今回は焙煎度合とコーヒー豆の種類によるDegassingの違いを調べてみました。

まずは、焙煎度合によるDegassingの差です。

画像1

左側のグラフは、横軸が時間で、縦軸がガスの放出量を示しています。
時間が経てば、ガスは放出されるので、右肩上がりのグラフになっていると思います。
ここで注目してほしいのは、焙煎度合によるガスの放出量です。真ん中に117Pt、126Ptなどの数字が書かれていますが、これは数字が大きいほど深煎りで、小さいほど浅煎りだと思ってください。
浅煎りだとガスの放出量が小さく、深煎りだとガスの放出量は大きいことが分かりますね。
じゃあ、浅煎りのほうがガスの放出量が小さいなら、より長い時間Degasしなきゃいけないねって結論付けたいのですが、それまた違います。

次に、右側のグラフを見てください。横軸が時間で、縦軸がガスの放出率です。
これはコーヒー豆に含まれているガス全体のうち、何%ガスが放出されたのかというグラフです。つまり、100%になればすべてのガスが放出されたということになります。
左側のグラフだと、浅煎りのほうがガスの放出量が小さかったのですが、右側のグラフで割合としてみると、浅煎りも深煎りもどちらも同じ水準ですよね。
つまり、焙煎度合でDegasのスピードが変わるという点は見られないのです。
もちろん、絶対量でみると深煎りのほうがガスの含有量は多いので、蒸らしをしっかりする必要があります。

したがって、
焙煎度合によってガスの放出スピードが変わるような点は見受けられませんでした。



生産地によるDegasの速さの違い


もうひとつ思ったのは、生産地や品種によってDegasのスピードは変わるんじゃないかということです。
今回は生産地によるDegasの違いを調べました。

画像2

今回の比較生産地は、グアテマラ、エルサルバドル、コロンビアの3か国を対象としています。焙煎度合はすべて同じになっています。

左側のグラフが、時間とガスの放出量の関係
右側のグラフが、時間とガスの放出率の関係

を表しています。

まずは、左側のグラフを見ると生産地によってガスの放出量が変わってることが分かります。
またこれらでは、焙煎度合は同じのため、右側のグラフのガスの放出率も各生産地によって異なっています。

つまり、生産地によってガスの放出スピードは異なるのです。


今回は、Degasについてスピードに焦点を当ててみました。
私自身は、焙煎度合によってスピードが変わるのかなと考えていましたが、スピードに関しては変わりませんでした。

しかし、今回調べたことから、生産地によってDegasスピードが変わることが分かりました。きっと品種にも影響を受けていると思うので、また品種とDegasの関係については調べて、まとめようと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

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