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押さえておきたい!2項道路とセットバック関連の法律知識

土地を買う、家を建てる前に知っておきたい!セットバックってなに?このガイドでは、建築基準法に基づく2項道路のルールを簡単に紹介します。


1.セットバックと2項道路:都市計画のキーワード解説

土地や家を購入、または売却する際には、多くのルールが存在しますが、中でも重要なのが「2項道路とセットバック」に関する規制です。2項道路は、建築基準法に定められた道路のカテゴリーの一つであり、主に狭あいな住宅地等への緊急車両の安全な進入や良好な立地環境などを確保するため、将来的に必要な道路幅を確保するために指定されます。一方、セットバックは建物を建てる際に、建築基準法により定められた道路中心線から、最小限の距離を保持することを義務付けるルールです。これらのルールを遵守することで、将来的な道路の拡張の余地を残し、また安全で快適な街並みを形成します。不動産取引や建築においてこれらの規制を無視すると、法的な問題に直面し、土地の価値にも影響を与えかねません。この記事では、初心者でも理解しやすいように、これらの概念を簡潔に解説していきます。

2.3ステップで理解するセットバックの基本

ステップ1:2項道路と中心線

2項道路の中心線とは、道路の幅を決定する基本ラインであり、この中心線から建築可能なエリアが定められます。2項道路の沿道における建築行為では、建築基準法により道路の中心線から最低2メートル後退することが必須とされています。2項道路の中心線は建築基準法を所管する権限のある、都道府県や政令市などの「特定行政庁」により指定され、この中心線を基に、建物のセットバック距離が決定されます。

ステップ2:セットバックの目的

セットバックの主要な目的は、緊急時のアクセスを確保することにあります。緊急車両が迅速に進入できるよう、建物と道路との間には十分なスペースが必要とされます。元々2項道路は「幅員が4m以下」という、狭あいな道路に指定を受けることから、この規制は、建築基準法や都市計画法の基本的な趣旨である公共の安全を守るという点で極めて重要です。また、セットバックは、火災や災害時の対応速度を向上させるだけでなく、日常における道路の利便性や景観の維持、さらには将来の都市発展に向けた土地利用の柔軟性を保つ役割を果たしています。

ステップ3:セットバックの際の後退距離は?

2項道路のセットバックはどこから行えば良いのでしょうか?重要なのは、セットバックの基準となる中心線が、特定行政庁によって指定されるということです。この中心線は、必ずしも現在の道路の中心線と一致するわけではありません。例えば、売買や建築を行おうとする土地の向かいの土地が過去に中心線を基準にすでにセットバックを行っていた場合、現況の道路の中心と定められている中心線がズレることになります。また、現況で2項道路の幅員が4メートル以上あっても、中心線からのセットバックが必要になる場合もあります。このように、2項道路沿道で土地や建物の売買、建築を計画する際には、必ず特定行政庁(役所)に確認を取ることが重要です。これにより、法令違反や不利益を避けることができます。

2項道路の中心線と後退距離は必ず事前に市役所等の建築担当部門に確認しましょう

まとめ:建築や売買の前に!セットバック関連のルールまとめ

ご自身や購入しようとしている道路が2項道路に指定されているか、また当該土地がセットバックの対象かどうかは、市役所などで事前に確認することができます。実際に売買や建築計画を進める際には、この確認が非常に重要です。ご自身での判断が難しい場合、設計事務所などの専門家に事前の確認を依頼することも一つの方法です。建築基準法上の道路の接道義務や調査方法についても、別の記事でまとめてみたいと思います。これらの情報を適切に把握することで、「こんなはずじゃなかった!」といったトラブルを避けるとともに、土地の売買や建築計画を安心して進めることが可能になります。


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