ぺんたん

どこかの大学教員。 私大に移れて満足。

ぺんたん

どこかの大学教員。 私大に移れて満足。

最近の記事

結局、デキ公募はあるのか?

研究業績がずば抜けているのになぜか内定どころか面接にも呼ばれない・・・そういう愚痴をX(Twitter)上で見かけた。Xに限らず、公募の話をすると「あれはデキだ」とか「当て馬だ」とかそういう話は枚挙に遑がない。特に研究業績が多い人が落ちて、研究業績が少ない人が着任した場合にそのような不満が聞こえてきやすい。 では本当に大学教員公募でデキ公募が蔓延しているのだろうか? 私の感覚から言うと、今は「デキ公募」はほぼない。「ない」と断言できないのは科学者としての性ゆえで、実際はな

    • 私立大学はいいよ(待遇・環境)

      学会での噂話やネット上の情報では盛んに具体的な数字を出して言われているものの、「実際、私立大学の待遇ってどうなの?」という疑問を解決したい。 まず資料として、少々古いが以下のものを参照されたい。 職員と教員の年収が別表になっているので注意。 (職員も決して安くないが・・・) 肌感覚として、この資料に大幅なズレはない。すなわち、GMARCH、日東駒専などの首都圏大規模私立大の場合、55歳教授で年収は1300万〜1400万である。これは家族手当や住宅手当を含んでいるが、役職

      • 大学教員公募の忘備録 第3話

        私の研究分野は複数の分野にまたがっています。その分野をA、B、Cとします。私はA分野の学部教育を受け、大学院時代と学位取得後はB分野の研究を進めてきました。助教時代の教授もB 分野の専門家です。助教時代の後半は独自研究としてC分野の研究もはじめたところでした。以下の各公募ではその対象となる分野をA、B、Cで表記します。 3年目:本気で公募に取り組んだ転職期間いよいよ学部長から直接、昇進がないことを伝えられました。いくら成果があっても、トップダウンの方針には逆らえません。せめ

        • 大学教員公募の忘備録 第2話

          私の研究分野は複数の分野にまたがっています。その分野をA、B、Cとします。私はA分野の学部教育を受け、大学院時代と学位取得後はB分野の研究を進めてきました。助教時代の教授もB 分野の専門家です。助教時代の後半は独自研究としてC分野の研究もはじめたところでした。以下の各公募ではその対象となる分野をA、B、Cで表記します。 2年目:公募の仕組みやコツを理解しはじめた期間公募戦士2年目となり、所属校でもいよいよ内部昇進の難しさをダイレクトに感じはじめてきました。学部トップから昇進

          予想:今後の理工系大学教員公募の方向性

           身の回りで見たり聞いたりした公募の結果を通じて、理工系大規模私大教員の公募の方向性の変化が見えてきた。これまで私立大学は難関大学を除いて研究よりも教育に力を入れてくれる人を採用していた。これは皆さんも感じたり、聞いたりしたことがあると思う。しかし、近年この傾向が変わってきているように思う。すなわち、教育力に多少難があっても研究力の高い人が採用されるケースが増えてきている(採用には分野の一致が大前提。その上で人柄等も加味された上での比較である)。またそれに伴って、理系私大の研

          予想:今後の理工系大学教員公募の方向性

          大学教員公募の忘備録 第1話

          私の研究分野は複数の分野にまたがっています。その分野をA、B、Cとします。私はA分野の学部教育を受け、大学院時代と学位取得後はB分野の研究を進めてきました。助教時代の教授もB 分野の専門家です。助教時代の後半は独自研究としてC分野の研究もはじめたところでした。以下の各公募ではその対象となる分野をA、B、Cで表記します。 1年目:箸にも棒にもかからない連敗期間当初所属していた国立大学での在職中も、昇進が難しいことは薄々感じていたので、「条件の良い公募があったら」という軽い気持

          大学教員公募の忘備録 第1話

          大学教員公募の忘備録 第0話

           私は大学教員公募に応募する、いわゆる「公募戦士」でした。公募に関しての情報はネット上にいろいろ出ていますが、事例が増えればこれから公募に参戦する人の役にも立つだろうと思いましたので、体験談・忘備録を公開いたします。公募活動を通じて、自分なりに公募突破のコツを掴むこともできました。その証拠に、公募戦線の最後の方は複数の内定をいただける状況になってきました。ただし、このコツを掴むために多くの私費を投入していますので(面接への交通費等)、私が掴んだ公募のコツをまとめた「ノウハウ編

          大学教員公募の忘備録 第0話