スキンケアイメージ画像

環境へのやさしさがもたらすものとは?スキンケアのインサイトを読み解く

こんにちは、ぺんきち@Blabo!です。

共創コミュニティサイト「Blabo!」に投稿されたユーザーボイスから、インサイトや商品開発のヒントを探っていく『Blabo!コラム』。今回のテーマは「スキンケア」です。

スキンケアと言えば、最近は女性だけでなく男性にもその利用が広がりつつありますよね。今回は、そんなスキンケアを”環境にやさしいもの”に変えたら、意識や行動にどのような変化が現れるのか、という問いかけをBlabo!ユーザー(※1)に対して行いました。

◆環境にやさしいスキンケアは気持ちや暮らしをどう変える?

”環境にやさしい商品”は以前からありましたが、最近はSDGsの文脈で語られることが増えて、社会的な関心もより高まっていますよね。素材、容器包装、詰め替え、流通‥、その環境配慮の手段は様々です。

今回のお題では、環境配慮を実現する手段や目的ではなく、”環境にやさしい商品”を選ぶことが生活者にどのような価値をもたらすのか、言い換えると、生活者がそのような商品を選ぶメリットが(環境への配慮のほかに)あるとすれば、それはどのようなものなのかにフォーカスを当てていきたいと思います。

◆環境に気を配るきっかけになる

まず、ユーザーボイスに多く見られたのが「毎日の生活の中で、環境に気を配るようになる」というものです。下記にいくつかご紹介しますと‥

自分の肌の調子だけでなく、環境の調子にも気を配れる暮らしになれる肌をいたわるように、日々の暮らしや環境に対しても、優しくなれる気がします
ゴミの少ない詰め替え容器入りのものや、環境負荷の低い紙容器などに入ったものを使えば、環境問題の解決のために少しでも行動している気持ちになります
スキンケアの時間って、自分の肌と対話する時間だと思うのです。毎日、自分の肌と対話すると同時に、環境のことに想いを馳せるようになるかもしれませんね

環境について深く考えるようになるというよりは、むしろ、日々の習慣の中でふと想いを馳せる機会が増える、という方がイメージに近いでしょうか。環境にやさしい商品を「毎日、目にするから」「毎日の習慣として商品を使うから」という2つの入り口があるのでは、と思われますが、いずれにしても環境に想いを馳せる機会が増えるのは良いことですよね。

◆他の商品も環境にやさしいものに変わっていく

スキンケアが環境にやさしいものに変わったら、それをきっかけに他の商品も環境にやさしいものに切り替えていくと思う、というユーザーボイスも多数見られました。先ほどの「気を配るようになる」ところから、実際に行動に移すという一歩踏み込んだ結果と言えます。

コンタクトレンズの保存液にハミガキ、お風呂のボディソープ、家庭用洗剤など、手に取るものに環境に優しいものなのか確認して、徐々に環境に優しいものに変わってくると思います
今までのこだわる事の視点をスキンケアから変えていくと、環境にいいものに意識し始めるきっかけになりそう。子供にも安全な成分でみんなで共有できると自然に無駄な事もわかってきそう
関連して、他の物やこれまでの物事の意識も変化しやすいかなとも思います。初めの意識や行動するかしないかでその後が大きく変わるでしょう!
私は日常的に環境に優しい物で洗濯やお皿洗いをしていて、スキンケアに使うボディソープや化粧品も環境を汚さないモノを使っています。動物実験をしている化粧品類は使わなくなりました

4つ目のユーザーボイスのように、既に同じようなことを経験したり実践している方も、多くいらっしゃるかもしれません。スキンケアを環境負荷の低いものに変えても、他のところで負荷を掛けてしまっていたら意味がないですものね。

さて、日々のスキンケアをきっかけに環境のことを考える時間が増え、スキンケア以外のことでも環境にやさしい行動を取るようになったら、”人として”やさしい方向に向かい始めている感じがしますね。では、そのやさしさは次にどこに向かうのでしょうか?

◆環境へのやさしさは、巡り巡って人へのやさしさに!?

その答えとして一つの可能性を示しているのが、次にあげるようなユーザーボイスではないかと思います。これらが示しているのは「自分へのやさしさ」や「人へのやさしさ」です。

環境にやさしいものはシンプルで正直なイメージ。最終的には自分をよりいたわるようになるかな
スキンケアがキッカケになって普段口にするもの手に取るもの色んなものに意識が広がると思います。そして優しいことしてるなと気分も優しくなり、周りとの接し方が変わったり心の余裕も生まれてきそう
環境に優しいモノは地球に優しい。地球に優しいというのは人に優しい。ということは自分にも優しい。情は人のためならずというところでしょうか

でも「環境へのやさしさ」が「人へのやさしさ」に昇華するなんて、さすがに話が少し飛躍している感じもします。この間を繋ぐものについては少し考えてみる必要がありそうです。

まず1つ考えられそうなのは、”成分などが自然由来で肌にやさしい”というイメージからの繋がりです。実際には、環境負荷の低さと肌への負荷の低さは無関係かもしれませんが、そういったイメージからの連想というものは一定レベルで存在しているように思います。

環境に優しいスキンケアってことは、優しいナチュラルな成分からできている商品=刺激が少なくお肌にも優しい、つまりみんなに優しく、ひいては自分にいちばん優しいってことのような気がする!

もう1つは、環境にやさしい行動を取ることが、自分の立ち居振る舞いや心がけに変化を起こし、その結果として人に対してもやさしくなる、という可能性です。良いものを身に着けると自然と立ち居振る舞いが変わる、という話を聞くことがありますが、これに近い感覚かもしれません。

環境にやさしいって事で、ポイ捨ては絶対にしないようになる。やっぱりいい生活をしようと思えば、他人の気持ちを考えて、生きることだと思います

◆環境にやさしい商品であることをユーザーに意識させられるか

スキンケアを"環境にやさしいもの"に変えると、気持ちや暮らしにどういった変化が起こるのか、ここまでに見てきたユーザーボイスからは、次のようなまとめを導くことができそうです。

ーーーーーーー
環境にやさしいスキンケアを選ぶと‥
・毎日、目に触れたり、習慣として使ったりする
・環境に想いを馳せることが増え、他のものも環境にやさしいものに変わる
・そういった商品が気分・意識を高め、自分にも人にもやさしくなっていく
  ↓ ↓ ↓
”環境にやさしいスキンケア”を使うことは、
自分や人に対してやさしくなる1つのきっかけとなり得る
ーーーーーーー

とはいえ、話はそんなに単純ではないでしょう。「環境にやさしいスキンケアを使う人はみんなやさしいのか?」と言われたら、おそらくそれも真ではないでしょう。

もう一歩踏み込んで考えるならば、ここには”環境にやさしいこと”に加えて、”環境にやさしいことを意識させているか”も作用しているのではないかと感じます。よくある詰め替え商品など既に汎用化したものであれば、意識などせずに使わせることも大事でしょう。反対に、環境にやさしいことを敢えて意識させることで、気づきや想いを与える商品もあって良いと思います。一見相反しているように見える2つの考え方ですが、それぞれに意味があるはずです。

◆スキンケアだからこそ伝えられる想いがある

また、ユーザーボイスからのまとめについて、スキンケアという商品が持つ「特性」から考えると別の側面もみえてきそうです。という側面からも考えてみたいと思います。

ーーーーーーー
●毎日使うものである → 意識づけの頻度が高い
●肌にやさしい商品が多い → 環境や人へのやさしさイメージに結び付きやすい
●商品の個性や価格帯が幅広い → 差別化された商品がアピールしやすい土壌がある
ーーーーーーー

こうしてみると、スキンケアというのは実は「環境へのやさしさをフックに、自分や人に対してやさしくなれるきっかけ」といった文脈を語るのにふさわしい商品なのではないかと思えてきます。「やさしさ」を前面に出したスキンケアは数多く存在しているものと思いますが、深いところでは人へのやさしさにつながるというインサイトを踏まえたコミュニケーションの可能性も考えてみると面白いかもしれませんね。


今回は「スキンケア」について考えてみました。世の中には多くのスキンケア商品があり、どのブランドも激しい競争の中で生活者への価値提案に知恵を絞っているものと思います。当然、新しい価値提案を見出すことなど簡単ではないと思いますが、このようにユーザーボイスを切り口にヒントを導くこともできる、という事例としてご紹介しました。

「Blabo!」では常に様々なテーマのお題を公開しており、ユーザーボイスの募集だけでなく、ユーザーとの対話を通じたアイデア創発支援などのプロジェクトを行っています。ユーザーとして声を届けたい方も、プロジェクトに関心をお持ちいただいた方も、お気軽にアクセスしてみてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※本コラムで紹介したユーザーボイスは、できるだけそのままご紹介していますが、一部で抜粋や文言修正などを行っています。また、これらの著作権はすべて株式会社Blaboに帰属します
※今回のお題に対するユーザーボイスは下記のサイトにて見ることができます https://bla.bo/boards/1374
※1)ユーザー:Blabo!に登録している生活者の皆様

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?