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美術館巡り

久々の投稿になってしまいました。
仕事がバタバタしていて。というのは言い訳で。
時間があるとかないとか、そういうのは時間の使い方の問題だとよく言うけれど、仮に時間がたっぷりあったとしても、心に余裕がなくては在るものもないものになってしまう。
「時間」というと必ず思い出す本がある。前回に引き続き、児童書だけれど、ミヒャエル・エンデの、「モモ」。

時間貯蓄銀行の灰色の男たちが、「時間を返上して働いて、その時間を銀行に預ければ、利子がついてゆくゆくたっぷりと時間が返ってきます。そしてお金を増えて、今よりずっと豊かな生活が送れますよ」と人々に吹き込む。ここで登場するtime is moneyという言葉。人々は日常の「無駄」という余白を排除するかのようにあくせくと働くようになる。

そんな彼らを救ったのがモモという少女だった。timeとはlifeであるのだと人々に気づかせた彼女は、時の流れの中の「無駄」がもたらす豊かさを説く。
そして時間泥棒から大切な「時」を取り戻すことに成功するのである。

そんな話を思い出したら、あぁ、今の自分には余裕がないなぁと。このままではいけないなと思って。
あんまり気持ちも乗らなかったのだけれど、職場で頂いた美術館のチケットがあったことを思い出して、せっかくだからと出発。

今回のテーマは、オールドノリタケ・若林コレクション
レトロで豪華で繊細なコレクションの数々は暗かった私の気持ちを明るくしてくれた。

そういえば、コロナ禍になってから美術館巡り全然できていなかった。学生時代、東京で一人暮らししていた時はしょっちゅう行っていたのに。久しぶりのアート空間はやはり、良かった。
日々の仕事に追われ、心の余裕を無くし、私はまさに時間泥棒に時間を盗まれていた!
余白や無駄があってこそ、豊かさが生まれるのだなと実感した。「モモ」の言葉の数々がじんわりと心に沁みる。

児童書だけれど、大人にこそ是非、手に取ってもらいたい一冊。1973年に描かれたとは思えない新鮮さがあり、ミヒャエルエンデの、時代を捉える視点の鋭さに関心するばかり。

ミュージアムショップでお目当てのポストカードを手に入れて、うきうきとした気分でカフェで珈琲を頂く。これは幻のコーヒーと言われるものらしい。うん、美味しい。

ずっと気になっていたパン屋さんにも寄って、コッペマンを購入。

久々のちゃんとした外出で、沢山歩いたから疲れちゃった。でも心地よい。今夜はぐっすり、眠れそう。

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