バイブス高まるマイメンと出会えていますか?(#004:出会いこそ人生の財産なエンジニア・梶沼翼さん)
会社員からフリーランスになった時、変化することは多くありますが、そのなかの一つが「同僚がいない」ということです。
すべてを一人で担うため、「自分の力だけでできている」というやりがいや、「自分の意思だけで決断して進められる」という気楽さなどを感じられる一方で、想いを共有できる同志や、共に走っていると思えるような仲間の存在が恋しくなること、少なくないのではないかと思います。
PENGUIN GARAGEもまさにそんなフリーランスではなかなか得難い「想いや知見を共有できる仲間の繋がり」を作りたいと思ったのが、設立背景の一つにあります。
今回は、フリーランスの人たちが、よりポジティブに、より健やかに、仕事や暮らしを育めるような「バイブス高まるマイメン」と出会うためのヒントを、ペンギンメンバーの梶沼翼さん(株式会社コクリ代表)にお聞きしました。
Twitterのプロフィールに「人生ともに探究できるマイメンとの出会いが何よりの報酬」と書くほどの梶沼さん。どんな出会いのヒントがあるのでしょうか。
突然ですがバイブス高まるマイメンと出会えていますか?
はじめまして。梶沼翼と言います。本題に入る前に簡単に自己紹介をさせてもらいます。
普段はITフリーランスでエンジニアとして働いています。2020年8月に株式会社コクリという会社も立ち上げました。また、友人からの誘いでやり始めて僕自身が虜になった電動キックボードの販売事業も行っています。
5歳と2歳の娘2人の父でもあり、2年前に東京から札幌へUターンして、現在は札幌を拠点にしています。
そもそも「バイブス高まるマイメン」とは?
さて本題に戻りましょう。今回は「バイブス高まるマイメン」との出会い方について、僕のこれまでの経験を踏まえてお話ししたいと思いますが、そもそも「バイブス高まるマイメン」ってどういう人?と思われる方もいるでしょう。認識を合わせるために、まず定義を確認したいと思います。
定義といえば、辞書ですよね。インターネット上のweblio辞書で検索したところ、
マイメン:親密な間柄の親愛なる人。家族、親友、尊敬する人など。もともと英語のmy man(兄弟)に由来すると言われるが、最近では「マイメンバー」(my member)の略とする解釈も。
バイブス:レゲエで「雰囲気」や「ノリ」などの意味で用いられる語。
という定義が出てきました。これを合わせて考えると「バイブス高まるマイメン=ノリの合う友達」といったところでしょうか。
ここにもう少し自分なりの定義を加えると、僕にとっての「バイブス高まるマイメン」は次のような要素を持っている人たちです。
そしてこういう要素をもった人たちと出会えること、繋がれることが、僕にとっては人生や仕事の報酬だと感じているんです。
どうやったら出会える? 経験則に基づく3つの理論!
ではどうしたら、ここまでに挙げたような「バイブス高まるマイメン」と出会えるのでしょうか?僕自身のこれまでの出会い方を振り返って、今回3つの独自の理論(仮説)を立てました。
◎理論1:食パンくわえて曲がり角衝突理論
これは「ちょっと特別な出会い方をすると、特別な存在になる」ということですね。
僕自身の実例を紹介すると、Twitterで面白い人だなと思って一方的にフォローしていた人が「三軒茶屋徒歩1分の安安で一緒に焼肉を食べる」というタイムチケットを販売しはじめたんです。面識はなかったのですが直接お会いしてみたかったし、ユニークなチケットの内容にも惹かれて、即座に購入して一緒に焼肉を食べに行きました。
…いや、正直に言えば、会ったこともない知らない強面のおじさんと焼き肉を食べるのに1万円も払うの、意味わかんないよなーと僕も思っていました(笑)。でも、会ってみるとめちゃくちゃノリが合ったんですよ。それから連日のように(笑)お二人と安安に焼き肉を食べに行っては二日酔いになる…という日々を過ごしました。
そんななか、ある日突然、なんか一緒にやりたいねと。そうだ!一緒に「三茶ジャパン」というアイドルグループを立ち上げよう!という話になりました(笑)。それから怒涛に、写真やイラストのグラフィックをつくってクラウドファンディングをし、念願のトゥクトゥクを購入して、それに乗って3人で三軒茶屋を周遊しながら友達を作るというアイドル活動をしました。今でも二人とは飲み仲間としてご縁が続いています。
おそらく、あの時タイムチケットを購入せず、もっと“よくある”出会い方をしていたら、ここまでの仲にはなれなかったんじゃないかと思います。出会い方は大事です。
◎理論2:インターン一緒にしたらズッ友理論
2つ目のこの理論は「特別な体験を一緒にできると、お互いのことを特別に感じるようになる」というものです。
また僕自身の例をあげると・・・
「三茶WORK」というコワーキングスペースの立ち上げに関わったことがあるんです。はじめは「自分たちが住む町にコワーキングスペースつくりたいね」という、ささやかな気持ちから始まったのですが、いざ作るとなると、物件を見つけて、DIYして、クラウドファンディングを行って…となかなかに道のりは大変でした。それでも「こんなことやりたい!」という同じ旗のもとに集まってくれた仲間たちのおかげで、無事にオープンすることができて、今では4拠点に増えました。
、やったことのないプロジェクトを一緒に成功させました。
「はじめて」のことだらけだったなかで、試行錯誤しながら一緒にゴールまで走り抜いてくれた仲間たちはとても貴重な存在です。いまでも東京に行ったときは会いにいきますし、仕事のつながりもあります。ちなみに先日メンバーが北海道に遊びにきてくれたのですが、なぜかみんなで五右衛門風呂を作りました(笑)。未知のものを一緒にやりたくなる仲間たちです。
そんな三茶WORKの仲間たちのように、特別な体験を共有すると、大事な友達になるのだろうと思います。
◎理論3:タイムマシン友達理論
最後のこの理論は、「仲良くないとやらないようなことを、先にやると仲良くなる」という理論です。
ペンギンガレージに僕が入ったばかりの頃、他のメンバーの人たちに「北海道へ遊びに来きましょう!」とふわっと声をかけてみたんです。するとみなさん「いいね!」って二つ返事で、本当に飛んで来てくれました。
普通だったら、仲が良い相手とじゃないと旅行には行かないじゃないですか。「特別な関係になってから、特別な行為をする」ことがほとんだと思うんです。
でもその時は逆で、まだ関係性が育めていない段階だったけど、旅行に来てくれたことで、結果的にすごく仲良くなれたんです。
仲良くないとやらないことを関係値がなくても実行すると、結果として仲良くなれるんじゃないかと、その時の経験から僕は思っています。
最後に…自分から相手を「大事だ」と思うこと
以上のような、出会い方・過ごし方・距離感の縮め方などの組み合わせで、これまで自分は「バイブス高まるマイメン」と出会ってきました。いかがでしょう?皆さんにとって参考になるものはあったでしょうか?
最後に、良き出会いを育んでいくうえで僕が一番大事だと感じているのは、「自分が相手を特別だと思うかどうか」ということです。大人になると、そしてフリーランスとして孤軍奮闘していると、つい「この人は何か仕事の縁が繋がるだろうか」「この人は自分にとって学びになるようなことを教えてくれるだろうか」といったような、損得勘定やヒエラルキーのようなもののなかで、相手をジャッジしようとしてしまいがちです。
そうしたしたたかさはもちろん必要ですが、一旦脇に置いて、自分からまず「この人は自分にとって特別な人だ。仲良くなりたい」という想いを抱いて相手と接することが、自分の行動が変わって、結果的に大事な関係性を育むことに繋がるはずです。
皆さん、素敵なマイメンたちと出会えますように!
【編集後記】
私自身、フリーランスになってからのほうが、仕事とプライベートの線引きなく「仲の良い友達」「同志と呼びたい仲間」と感じるような人たちと出会えている感覚は持ってきました。
ただ、梶沼さんのように、どういう出会い方や時間の過ごし方をしたことで距離が縮まったのか、俯瞰して分析したことはなかったため、今回の3つの理論はとても新鮮な気持ちになりました。
特に、つい「この人と仲良くなれるだろうか?」と先に相手をジャッジする姿勢になりがちななかで、「タイムマシン理論」のように、先に「“仲良し体験”を共有してみる」というやり方は、振り返ってみれば子どもの頃、当たり前にやっていたようにも思います。理論として話を聞くことで、自分が”失ってしまっていたもの”にも気づく機会になりました。
また、出会いやご縁は「運」によるもので、自分ではどうにもしがたい…というふうに思いがちですが、今回の梶沼さんのお話を聞いてみると、「過去の大事な出会いを分析したら、未来により多くの良い出会いを自分で生み出すこともできうる」のだということにも気づかされました。
皆さんも「すでに出会ってきたバイブス高まるマイメン」たちとの出会いを振り返って、ご自身の“理論”を作ってみたり、自分のなかにまだないと思う他の人の理論を取り入れたりしてみてはいかがでしょうか。
執筆:アーヤ 藍
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?