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蛹になる

(タイトルの通り、ちょっとだけ虫の話をします。苦手な方がいたら、ブラウザバックしてくださいね)

私は今、休んでいる。何を休んでいるかと言うと、仕事を休んでいる。休んでみるとはじめて、世界がすごい速さで回っていることを思い知る。私がぼんやり一日過ごす間に、この間に世間の人は仕事をしてご飯を食べて気晴らしをしてちゃんと生きている。すごい。止まっているのは自分だけなんじゃないかと思って、肩身が狭くなる。仕事を休んでいると、なんか人生まるごと一時停止しているような気分になってしまうのはなんでだろうか。仕事がすべてみたいな考え方が頭のどっかに残っているのだろうか。人生は仕事がすべてではないと思うけど、生きるためには必要だし、仕事の肩書は家に帰っても取れないし、うまく折り合いをつけるのは難しかったなと思う。

今は幸い復職できることになり、準備中にあたるけど、具体的に仕事と結びつくことはできていない。自分の時間を切り離せずに身体を悪くしたことを思い出すと、休みだと言われている時期に仕事のことを考えるのはよくないのかなと思う。だけど、仕事でレベルアップしたい人は自分から仕事の勉強をするし、頑張りたい気持ちがあるならやればいいのかな。よくわからないままでいたとき、休みの間を形に残すためにnoteの投稿を始めた。

それでふと思ったのが、ここから生き方は選び放題だよなということだった。今私は次何になるかを決めたからそれに向けて一応進んでいるけど、今は休みだから、ここから何になるか本当は選んでいいし、そのために一回自分を見つめなおしているんだし、一回自分の引き出しと言う引き出しを全部ひっくり返して中身を整頓していい時期と思った。大事なものを見つけたり、大事じゃないものと決別したり、そういう時間を与えてもらったんだと思った。

芋虫は一回蛹になって、ちょうちょになる。完全変態(メタモルフォーゼ)と言うらしい。日本語とドイツ語で語感に差がありすぎる。以前一度、育てた蛹が不慮の事故で死んでしまって、その時見えたのが、蛹の外側の色と同じような、ねっとりしたクリームみたいな中身だった。それは一部ではなくて全部それで、脳とか神経があるようには見えない、命を保っているとは信じにくい不思議な状態だった。大変身をするためには、一度体をすべてどろどろにして組み立てるってことらしい。これが全然違う姿になって大きな羽根でひらひら飛ぶようになるとは、魔法と言われたら信じてしまいそうなくらい不思議だった。

人間は蛹になれないけど、今の自分は頭の中で蛹になっていると思いたい。殻に閉じこもる、みたいなマイナスなイメージがつきがちだけど、蛹はあの殻の中ですごい方法で命をやり直している。私も今、はたから見たら止まっている人だけど、いろいろとこれからの人生に向けて準備をしている。このあとは自分だけの絵柄をまとったすごいちょうちょになるんだぞ、と思いながら、毎日生きたい。

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