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映画「すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」を観てきた話

 今日、映画「すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」を観てきました。これは全ての消えた企業へ、全ての消えた工場へ、全ての消えたブランドへ、そして、その製品や商品が好きだった人たちへ向けたの映画でした。

 ストーリーは実際に映画を観てもらうとして、劇中はモノづくりに多少なりとも関わった人には胃がキュッとなる描写があります。

 生産設備の立ち上げとスタート時期のワクワクした企画会議、従業員のモチベーションアップにつながる功績の見える化と福利厚生の整備、生産の拡大に伴って行われる設備拡張と機械の導入による効率化が進んでいきます。
 しかし、商品が市場に行き渡ったことで、出荷数も利益も落ち、これに焦った経営者は過剰労働を課したことで労災が発生。さらには検品が十分でない商品が出荷されるようになります。仲間が欠けた労働者の士気は当然低下し、工場の操業を続けたい経営者と対立したためサボタージュへとつながりました。そもそも、マーケット調査をしないまま商品を生産し続けたことで供給過剰に陥り、市場には一切の需要がない商品が蔓延することで経済活動が停滞してしまいました。え?なんの話かって?映画すみっコぐらしの話ですよ?

 多くの人が使うモノを製造することが目的である工場が、市場に必要とされなくなってしまったモノを供給し続けるという姿について。同時に多くの人に必要とされなくなり、生産が中止になっても、大事にその商品を使い続けるユーザーがいるということ。豊洲や八幡、大森といった地名が思い浮かぶ中で、いろいろなことを考えさせられました。

 石川島播磨重工業東京第一工場とか三井造船千葉工場とか住友重機械工業浦賀艦船工場とかパナソニック尼崎工場とか三洋電機とかサッポロビール第一製造所というキーワードが好きな人はぜひ観に行ってほしいです。私はボロ泣きしました。

住友重機械工業浦賀艦船工場跡

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