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「リースパネル」と「新規パネル」の違いは?/展示会ブースを作る時に知っておいてほしいこと。

本稿では、展示会ブースをつくる際の言葉についてお伝えしましょう。
今回はかなり専門的なお話になります。展示会ブースについてかなり詳しく知りたい、という方向けですので、ご興味のある方にお読みいただければと思います。
展示会ブースをつくる際の「ブースの基本構造」について、以前に別の記事でお伝えしました。

今回のタイトルである「リースパネル」と「新規パネル」は、いずれもこの記事に書かれている「木工ブース」の際に用いられる言葉です。

展示会/木工ブースの仕様は?

少し詳しい話になりますが、「木工ブース」の仕様についてお話ししましょう。展示会の木工ブースは主に20㎜×30㎜の断面を持つ「小割」と呼ばれる角材(つまり「木の棒」)と、厚さ2.5㎜の薄ベニヤによって作られています。ブースの壁はこの2つの素材を組み合わせて作られた「パネル」と呼ばれるものを組み合わせて構築します。ですので、壁の厚みは、2.5㎜のベニヤと巾30㎜の芯材とさらに反対側に2.5㎜のベニヤ、となるので約35㎜となるのです。これで、W900×H2700のパネル、W600×H2700のパネル、W300×H2700のパネル、などを作り、その組み合わせでブースの壁面を構成していきます。高さが常に2700㎜なのは、日本の展示会の基本寸法が2700㎜だからなのです。

「リースパネル」とは?

さて、展示会ブース。木工でブースをつくると最終日にはそれらは全て破棄されてしまう。そう思われがちですが、実際には使えるものはできるだけ再利用するようにしています。
壁面を構成するパネルのサイズは1枚当たり、先述の通りW900×H2700。このパネルを組み合わせて壁面を構成します。これに「経師」もしくは「表具」と呼ばれる壁紙を貼ることになります。
展示会終了後は、これらのパネルに貼られている壁紙を全て剥がして、木工のパネル部分を保管しておくようにするのです。そして、別の展示会で再度壁紙を貼ってそのパネルを使う、というもの。これが「リースパネル」と言われるものです。「再利用パネル」という言葉の方が適切なのですが、なぜか「リースパネル」という名称で話されています。このリースパネル。使いまわしの再利用パネルなので、金額的には新しい素材よりも安くなります。つまり、木工ブースを安く作ろうと思ったら、このリースパネルを極力活用すればいいわけです。

木工ブースでは、木工パネルの上から「壁紙」又は出力紙を貼っていきます。

しかし、この(比較的)安いリースパネルにもデメリットがあります。何度もパネルの上から経師紙を貼っているので、凸凹(でこぼこ)しているのです。その上から更に経師を貼るとどうなるでしょう? そうですね。仕上がった壁が凸凹としているのです。「展示会ブースを作ったが、なんだかブースの壁が凸凹して嫌な感じだ」そんな時は、壁にリースパネルが使われている可能性が高くなります。その凸凹した見た目を回避するためには、経師紙を「水っ張り」と言われる方法で貼る必要があるのですが、この話はまた別の機会に。

「新規パネル」とは?

では、新規パネルとは何でしょうか。もうお分かりかと思いますが、リースパネルのような使い回しのパネルではなく、新しく作った新品のパネル、という意味になります。壁紙の仕上げの凸凹をなくしたい時や、リースパネルでは足りない「半端」な寸法の部分などは、全て新規でパネルを作ることになります。新規パネルは一から作る分、寸法の自由度は利きますが、金額的にはどうしてもリースパネルに比べると高くなってしまいます。
金額は高くなりますが、例えば全面写真印刷をする場合など、壁面にグラフィック出力が施される時にはかなり綺麗な仕上がりができるので、こだわりのある壁面などは新規パネルで作ることが多くなります。

「新規パネル」とは今回用に新しく製作した木工パネルのこと。

いかがでしょうか。
ちょっとしたことなのですが、ブースの依頼をする際には是非知っておいてほしい知識になります。
展示会ブース(だけでなく、建築や店舗デザインも同様ですが)は、見積金額が決まってから製作に入ります。契約金額が低いと設営会社はどこかで帳尻を合わせるようにするのですが、今回の記事のように新規パネルで製作する予定だったけど、リースパネルに変更した、ということも設営費を抑えるために有効な手法になりますので、是非知っておいていただければと思います。


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