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ギフトショー春2021/スーパーペンギンの取組

先週2月3日から5日まで東京ビッグサイトにてギフトショーが開催されました。当社は、今回は幅広く対応させていただきました。現在の緊急事態宣言下のため、会場全体の来場者はどうしても通常期に比べてかなり低い数字となってしまいましたが、当社デザインのブースはいずれも、何とか来場者は集まっていたのでは、と感じています。

どのように今の状況下で来場者をそれぞれのブースに集まるようにするのか、デザイン的にかなり苦心しましたが、概ね効果があったようです。

現在の状況下で集客ができるブースとするためには、「来場者が少なくなる」という事象に対してどのように対策を立てるかが重要となります。そのために解決する手法が「滞留時間を延ばす」というものであったり、「人が集中するポイント」を敢えて作る、というものであったりします。もちろん、コロナ対策も必要であるため、当社のいつものパターン、サーキュレータを設置して会場内で換気を促進する、ということももちろん対策しています。

1.SUPER PENGUIN/PRODUCE|南4ホール

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ギフトショー内LIFE&DESIGNに設置した当社が商品を紹介する当社のブースです。展示会ブースデザイン会社がなぜ商品を紹介するのか、と思われるかもしれません。ここにはいくつかの意味と目的があります。

まず、当社がブースデザインを行うという業務上、日常的に様々な商品と出会います。当社のメンバーは無類の雑貨好きであるため、一度当社として、当社のお客様の商品を紹介することをいつかしてみようと考えていたのです。今回は、8つの展示台に8つの商品を置きました。様々な商品を置くのではなく、「これ」といった、本当にお勧めの一品のみを丁寧に置く。そして、その商品を私自身が「第三者目線」で紹介する、といったことを行ってみました。第三者が紹介することで、メーカーからは言えないようなことを伝えることができます。例えば、商品づくりのの裏に隠れているメーカーさんの社風や人柄など。このようなブースが今の展示会にはあっても良いのでは、と思うのです。

そして、2つの目の理由は今のコロナ状況です。このような形だと、出展者は会場に来なくてすみます。もちろん、会場にいた方が結果が良くなることは間違いありませんが、東京に来なくても商品を見てもらえる、交通宿泊費を浮かせることができる、等の理由から、リアル出展と共に、このような出展方法は今後も有りなのではないかと考えています。

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石川県より、九谷焼の器。右に見える文章は、紹介文。

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滋賀県の企業を紹介した展示台。商品づくりの技術はもちろんのこと、こちらの企業の方々の「人柄」を伝えたかった展示台。

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佐賀県の除菌スプレー。商品のデザインや効果はもちろんのこと、それ以上に知っていただきたかったのがこの商品・企業の創業の背景。どのような背景のもとに商品が作られているのか。それを知るとファンが増えること間違いなしの商品。

このように、出展者自身は会場にいなくても、第三者が紹介することで、訴求力を高めることを今回はやってみました。どの商品も初日から直接の問い合わせがあったようで(電話等にて)、リアルには及ばないもののしっかりと出展の結果が出る手法ではあるようです。

本ブースの各出展者の情報は下記を参照ください。


2.東京都中小企業振興公社SMEブース|西1ホール

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東京都中小企業振興公社による合計15社(+チャレンジ道場参加者6社、計23社)が出展する集合ブース。コロナ状況下のこともあり、ブースは広く会場的な作りにしています。結果として、会場の中でもっとも集客が出来ていたブースだったのではないかと思います。このブースに来場者が集まるために、実はいくつかのデザイン的な工夫をしています。遠目からの視認性を高めるために、敢えて周囲より高さを持たせていることや、出展社と来場者の区別をつきにくくして、敢えて「賑わっている」ように見せること、出展者の待機位置をコントロールしていることや、各展示台の上部にあるキャッチコピーの内容を工夫し、分かりやすくしたことなど。詳細は改めて記載しますが、ごく自然な形でデザインしているようですが、全ての箇所において戦略的にデザインの調整を行っています。

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また、こちらのブースでは事前に出展者の皆様にブースセミナーを開催(90分)、どのようにすれば来場者が集まるのか、通常来場者が集まらない原因は何か、今回のブースの意図の説明と、どのように活用すればいいのか、などをお伝えいたしました。そして、更に全出展者に対して、1社1時間の個別面談も実施。どのような店舗に商品を置きたいのか、今回何を目的にするのかをお聞きした上で、展示台上のディスプレイの方法についてお伝えしました。当社内のセミナールームで、実際の展示台と同じサイズの台と共に。

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この公社ブースの反対側にある「事業化チャレンジ道場」の方も戦略的にデザインしています。こちらは、今回のギフトショーのかなり前から出展者の皆さんは全員で仲良く公社さんのプログラムを受けておられる方々でした。そこで、こちら側は全員のコミュニケーションが促進されることを軸としてブースを構成しています。中央には、全員が集まった会話ができる多目的なカウンターを設置。また、外部を歩く来場者に彼らのプレゼンが効果的に響くよう、プレゼンテーションカウンターの位置を設定、「新製品のモニタリング」であることが分かるように上部の文字も調整。

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事前に簡単なセミナーをさせていただいたのですが、この際に出展される皆さんのプレゼンがとても良い印象だったので、今回マイクを使用しての本格的なプレゼンをすることをご提案してみました。結果、このエリアには常に来場者が集まっていたので、こちらも出展成功、と言ってもいいかもしれませんね。

3.石川県繊維協会ブース|南4ホール

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こちらは、石川県繊維協会様のブース。細幅織物や生地関係や技術などを扱う企業が合計12社出展されています。しかしながら、今回は非常事態宣言の影響で8社が東京に来られない、という事態に。そこで、当社が昨年から研究していた「半オンライン・半リアル」の方式で「遠隔参加」していただくことにしました。

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これまでの経験を活かし、今回は「自然な姿勢のまま」で会話が出来るようにWEBカメラの位置と先方の画面の位置を設定。常時接続にすることにより、複数人でごく自然な形で会話(商談)が出来るようにしています。今回オンラインで参加された株式会社HIROさん(実はこの方、当社のオンライン展示に皆勤賞なのです)は、この方式に慣れて来ていて、今回1日に数十枚の名刺を獲得するなど、通常のリアル出展と変わらない成果を出されています。

オンラインの形式は、今は「リアル出展の代替」として考えられていますが、交通宿泊費が掛からないことなどを考えると、コロナ収束後にも活用できる有効な出展方法と言えるかもしれませんね。

半オンライン・半リアルのオンラインの考え方は下記の記事を参照ください。

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さて、こちらの石川ブース。来場者が集まりやすいように各所に工夫を行っています。まず、東京都のブースと同じように今回は背が高く開放的にしているのは、コロナ対策も兼ねて。全方位からブース内に入れるようにしています。そして、こちらも事前にブース集客セミナーを石川(金沢市)で実施。その上で、出展者全社と個別ミーティングを行うことで、出展商品のディスプレイやキャッチの言葉を決めています。今回のブースでは、商品そのものを訴求するというより、商品を作る技術や素材が出ることを求められている企業様が多いので、キャッチの言葉を工夫してみました。このキャッチの言葉、当社の場合、出展者さんからヒアリングして私が考えるのです。商品のポイントを瞬間で分かるように。この言葉と商品の陳列で最終的な集客は大きく変わってきます。ちなみに、商品そのものを訴求させたい場合の展示台上の構成と「素材」や「技術」を訴求させたい場合の展示台の構成は、ディスプレイ方法が変わって来るのです。これについては、また後日別記事で説明いたします。

何にせよ、この繊維協会さんブース、おそらく昨年の出展時よりも結果が出ているのではないかと思います。

コロナ状況下で、しかも非常事態宣言下ではありますが、ブースの作り方次第で出展の結果を出すことは可能です。また、石川県の方々のように、東京に出て来られない、という場合であっても、何らかの有効な対策は可能だと感じます。

大切なことは、展示会に出展して自社の商品を販促しようとしている企業の方をいかに成功させるか、という決意と方法。今回は、様々な試行もあった出展でしたが、どのブースも概ね成功とのことで、安心した結果を残すことが出来ました。この後、各出展者の方々の商品がよい方向に向かうことを願っています。






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