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WITHコロナ状況下での展示会出展の考え方

展示会業界では、7月末にインテックス大阪で開催された関西ホテレスから展示会が再開されはじめ、9月9日現在でようやく軌道に乗りつつある、という状況になりました。9月に入り、東京では「ライフスタイルWEEK東京」が開催され、9月9日からは大阪にて「COSME WEEK大阪」と「ライフスタイルWEEK大阪」が開催されました。

展示会出展は、短い期間で自社の商品・サービスを顧客に向けて販促し、受注を得る、という現在のコロナ状況下ではもっとも有効な「不況下における打開策」の1つと言えます。

しかしながら、多くの企業が、この状況下で本当に出展していいのか、コロナ対策をどのようにすればいいのか、本当に来場者は来るのか、結果はちゃんと出るのか、悩まれていることと思います。

当社は、ブースデザインを主に行う会社として、現在の状況を観察・検討しています。あくまでも現時点での考え方ですが、ここに記載いたします。この記事を読んでいただいた皆さんにとって何らかの判断基準にしていただければ幸いです。

1.現在の展示会場内の様子は?

7月末の関西ホテレス以来、展示会場の様子を当社としても細かく観察しているのですが、どの展示会に行っても会場内のブースの様子は「コロナ前」のブースの様子とほとんど変わらない、というのが実際の状況です。もちろん変化もないわけではありません。多くの企業が展示会出展に際して費用を抑えようとしていることが伺えて、木工よりもシステムでのブースが多くなっている印象があります。また、木工ブースの場合でもシンプルなつくりになっている、というブースも見受けられます。これは、日本展示会協会の感染症対策ガイドラインによって「極力簡単なつくりにしましょう」といった趣旨の文言が記載されていることも影響しているとも言えるでしょう。

また、出展自体をキャンセルしている出展者も見られます。多くの場合、ブースに貼り紙がしてあり、「都合により出展がキャンセルになりました」といった記載がされています。同じように、ブースを作ってはいるけどスタッフがいない、というブースも何社か見受けられます。そのようなブースは展示品とパンフ等をおいて「スタッフは只今不在にしています」といった札を展示台上に置いている場合がほとんど。このような出展キャンセル、出展者不在は展示会にも拠りますが全体の1割程度でしょうか(ライフスタイルWEEKの場合)。

このような展示会会場内におけるコロナ状況下でのブースですが、では「コロナ対策を出展企業がどこまでしているか」という視点でブースを見ると、私の見る限り「どこも、ほぼ何もしていない」というのがどの展示会を見ての感想です。当社としては関西ホテレス以来、サーキュレーターの設置をしたり説明動画を設けるなどをしていますが、ほとんどのブースは、除菌スプレーを置く、マスクを着用する等の基本対策はもちろん行っていますが、ブースデザイン上の工夫としては、ところどころの企業が受付カウンターや商談席にアクリルの衝立をする程度で、それ以外に特筆すべき対策をしている出展者は見受けられず、会場内のブースはコロナの前の展示会の状況とほぼ同じ、との姿を想像していただいてまずは大丈夫です。

2.コロナ対策を行うために2つの指針

さて、それでは、今後展示会への出展を検討されている企業の方は、コロナ対策をどのように考えればいいのでしょうか。私としては、大きく分けて以下の2つの方針をベースに検討を行うとよいのでは、と考えています。

方針1.自社のスタッフが感染しない対策を取る
方針2.来場者に「安心感」を与える

以上の、2つの方針です。実際に現在開催される展示会に行ってみると分かるのですが、拍子抜けをするほど「いつも通り」の状況になっています。「こんなもんでいいんだ」と感じるほどに。

これは、会場入口でしっかりと検温等をされてから入場しているので、会場内にいる人は「基本的に大丈夫」と思える、という点と、本当にコロナを気にする人はそもそも会場には来ない、ということも言えるのではないか、と推察されます。ですので、会場内ではコロナ前と変わらない状況が展開されているとまずはイメージしてもらえればよいと思います。

そのような基本的な状況の中で、これから出展を行う出展者の方は、まずは「自社のスタッフが感染しないように」対策を行うことが大切です。定期的な手洗いやマスクの着用、高頻度接触部位の定期的な清掃・除菌等を行います。これらのことは(もしも無症状で感染していたとしても)「来場者の方へうつさない」という行為にもつながります。もちろん、これら基本的な対策以外にもブースを検討する設営会社には、対面を避けるようなプランをお願いしましょう。

そして次に、来場者に対しては、「この企業はコロナの対策をしっかりと行っている」と感じてもらうようにしましょう。会場を見回っていると、受付カウンターや商談席に「形式的に」アクリル板を設けて、「感染症対策」としつつ、実際にはアクリル板を避けて会話を行っている、という状況が頻繁に見受けられます。このような「形式だけの対策」ではなく、例えば当社が推奨しているサーキュレーターの設置(換気対応)などを行い、それらを来場者からよく見える位置に設置することで「この出展者はコロナにしっかりと向き合っている」という「信頼感・安心感」を感じていただくようにすることが一つの指標になるでしょう。このような現実的でしっかりとした対策を取ることは、企業そのものへの信頼感、そして、商品・サービスに対しての信頼感に繋がる、とも言えます。

3.WITHコロナ状況下での展示会出展における「本当の問題」

WITHコロナ状況下における展示会ブースでのコロナ対策は、このような方針で検討していけばよいかと思います。

一方で、今後展示会出展を検討する方々にとって、「もっとも考えなければいけない本当の課題」は、「出展結果をいかに出すか」だと私は考えています。

今のこの状況下で、来場者数は間違いなく減少します。それはこの状況下ですのでやむを得ないところでしょう。企業的に「不要不急は外出は控えるように」との通達が出ているところも多いと思います。ただ、来場差が減っている、ということがネガティブに考えるべきか、と言うと必ずしもそうではと感じます。

実際に展示会場で観察していると、3日間の展示会期間のうち、初日・2日目といった「会期前半」に来場者が集まり、会期後半になるに従って来場者の数は減ってくる、という状況が見て取れます。この事から分かるのは、この状況下でも展示会に来る来場者は明確な目的を持って来場をしており、「なんとなく会場を見に行ってみよう」と考える程度の来場者は減っている、と捉えることができます。

ですので、これまでのように「大人数の来場者の中で結果を出す」ということがこれからの状況では出来なくなってきます。「限定された来場者」の中でいかに結果を出せる出展にするか。このことが今後は大事であり、それを実現させるためのブース検討のポイントを以下のように考えています。

1.「誰に」「何を」訴求させたいのか。出展の目標をはっきりとさせる。
2.展示会期間だけを展示会と考えず、「展示会前後を有効活用」する。
.会期中の商談のアポを、可能な限り「事前に」取っておく
4.展示会ブースデザインにおける集客の工夫をしっかりと検討する

上記の内、4番目は当社が日頃お伝えしている、集客の工夫のことを指しています。(キャッチの考え方等)

現在のような、WITHコロナ状況下での展示会出展でも成果を出すことは十分に可能だと考えています。ただし、「なんとなく出展する」というだけの無策な状況では、これからは間違いなく結果は出なくなってしまうでしょう。ターゲットを明確にして、展示会の会期だけでなく、その前後の期間を有効活用すること。このような方針の下、展示会出展の姿勢・構造を根本的に変えていかないといけない、と感じています。

以上のことから、WITHコロナ状況下での展示会出展の本当の課題は「いかに成果を出すか」ということになるのです。

4.今後の展示会出展をどのように考えるか

展示会は、本来、短い期間で受注等の結果を得られる重要な販促手法です。今の状況下で出展はしない方がいいのか、と問われると、「出展するべきです。しかし、成果が出るようにしっかりと対策を行い、また、しっかりと来場者を集めてくれる展示会に出展した方がよいです」とお答えします。これからの時代は、主催者も設営会社も、そして出展者自身も、「いかに来場者を集めるか」を考えないといけません。お互いに他者に頼るのではなく、自身が自身で出来る集客の工夫を行うこと。

先日、東京で行われた「ライフスタイルWEEK東京」を視察してきましたが、出展者の方がとても興味深いことを仰っていました。出展キャンセルなどで出展者自体も減っている状況なのですが、「竹村さん、今はチャンスですよ。同業他社の出展者が減っているので、来場者はみんなうちのブースに来てくれるんです」と。

なるほど、このような考え方もあるんだな、と感じました。WITHコロナ時代の展示会出展は、どのように考えるか、どのように活用するのか、が大事なのだと思います。少なくとも言えることは、「変化すること」が大事。これまでの既成概念を再考し、新しい捉え方で出展する。それが、今求められている出展の仕方、展示会の作り方なのだと感じています。


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展示会ブースに特化する空間デザイン事務所、スーパーペンギン代表。東京ビッグサイトなどで開催されるブースのデザインを行う他、展示会ブースでの集客の仕方についてセミナーを行う。 https://www.superpenguin.jp

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