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ピース

10年ぶりのエッセイ集とのことで、本屋に入ってすぐの棚に平積みに並んでいた『月と散文』
ピース又吉さんの書籍です。

手に取ってパラパラと捲り、あるエッセイを読んでみました(タイトルが喫茶店だったと思う)
短い間に、起伏があって、伏線も回収して、それが落ちになって、上手いなぁ、自分もこんなの書けたらなぁ、なんて思うエッセイでした。

ここに書かれたことが事実なのか、それとも少し脚色しているのか、知る方法はありませんが、この人なら事実じゃないと嘘は書かないだろうなと、そんな気がします。
出てきた喫茶店の名前は明かされてませんでしたが、その喫茶店は実際に東京のどこかにあるのだろうし、ダブルエスプレッソを注文したというのも本当のことなんだろう、と何故か疑う余地がないのです。

よくよく考えれば、これを書いているのは芥川賞作家です。ということは紛れもない日本トップクラスの文章マイスターと言っても過言ではないでしょう。サッカーで言ったら日本代表に選ばれたことがあるプレイヤーのようなものです。
そのひとをつかまえて、こんなの書けたらなぁ、とは驕りではないかと恥ずかしくなりました。お笑い芸人であることが、どこか親しみのあって壁を感じさせないものがあったようです。

でもやっぱり、こんなの書けたらなぁ、と言うのは嘘ではなく、無しにしてしまうのも勿体ない。文庫になっている同じエッセイ集の『第2図書係補佐』を購入することにしました。
Amazonでポチっと買うのも便利ですが、折角なのでまた本屋に行って、今度は立ち読まず、レジに持っていくつもり。


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