見出し画像

夢見る帝国図書館

帝国図書館って、今の国立国会図書館の昔の名称かな?ぐらいに考えていましたが、もっと系譜は複雑で、現存するいくつもの建造物に関連があるようです。
中島京子さんの『夢見る帝国図書館』を読んで知りました。

直接的には国際子ども図書館が帝国図書館の今の姿のようで、国立国会図書館は別らしい。国際子ども図書館は上野にありますが、同じ上野にある国立博物館や国立科学博物館にも元を辿ると関わる様子。
途中で立て直したり、止まったり、別の形になったりと、一度読んだだけでは頭の中でしっかりと整理は出来ておらず。新書で『帝国図書館――近代日本の「知」の物語』があったので、気が向いたら読んでみようかな。


本書の舞台は上野。
上野なら何度か行ったことがある、と読んでいましたが、さっそく出てきたのが上記の国際子ども図書館。
そんなところあったっけ?と、浅めの知識が露呈します。
地図で見てみると、上野公園の西あたりで、私が行ったことがあるのが公園内やその周り程度だったので、足を延ばしたことがない場所でした。

この図書館に主人公が訪ねたときに、上野公園で喜和子さんという年配の女性と出会うところから物語は始まります。
その喜和子さんの思い出話が、上野の戦後や、その図書館周りの話が軸になり、現代から過去を覗き見るように進んでいくので、自身の興味の枝も伸びていきました。

読んでいる最中ですが、舞台になるあたりを見てみたくなり、上野周りを散策へ。
このあたり、散歩にはとても良い場所です。

国際子ども図書館は確かに古い建物。
入ってみると年代を感じる作りで、明治時代を思わせる階段と手すりが渋くて良い。海外の観光客っぽい人たちがそこで家族写真を撮ったりしていましたね。
1階から3階を目的もなくうろうろとしてしまいました。
館内にあるカフェに、やけにソフトクリームの種類が充実していて惹かれましたが、今回は食べずに退出しました。
また、夏に来た時にでも。

小説内には、ここの図書館に数々の文学人が通っていたと書かれています。現在活躍中の小説家も通ったり訪れたりしているかもしれません。
図書館はどこも静かですが、ここはそれにプラスして、厳かで落ち着いた空気が満ちているようでした。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?