記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

プロジェクトヘイルメアリーのR(ネタバレ)

直球でネタバレがあるので、気になる方は注意いただけると幸いです。



プロジェクトヘイルメアリーを読んだ人は共通して萌えキャラとして挙げるだろう異星人のロッキー。
体は鉱物で出来ていて、人間のような顔は無く、眼もない。手足は五本あって、非常に優れた聴覚で物体を認識する。コウモリの認識方法に近い。
名前も岩(Rock)みたいだからと「Rocky」と呼ばれていました。


Rockyのイメージ。彼は技術者なので工具をよく使います。

そんな奇妙な見た目なのに、彼には不思議な可愛さが付きまといます。上のイラストからも隠せない可愛さが滲み出ているでしょう?
いつか、この小説は映画かドラマになるだろうと思ってるんですが、その時はロッキーがどんな姿になるのかが、非常に楽しみです。

様々なドラマ、漫画、小説や映画で異星人は出てきたりしますが、この小説の異星人ロッキーは、かなり変わってます。
まず、上記通りの見た目もですが、視覚が無いという点です。彼らには眼が無いので、暗闇も何もありません。なので光の観測がなく、宇宙船を作れる高度な技術力があるのに、光速を超えると時間を超越する理論を知らなかったりします。
また、人間と違って体が鉱物なので、生活圏の気温もだいぶ高い。何度だったか忘れてしまいましたが、人が暮らせない温度です。

そんな人間と大きく異なる異星人・ロッキーと主人公・ライランド・グレースは宇宙で出会いますが、その出会った後のコミュニケーションが面白いものでした。
まず、言葉は通じないし、文字を書いてのやり取りも不可能です。眼が無いので手話のような方法も不可と思いますが、ロッキーは聴覚で動きを検知できるので、手を振っているとか、拍手しているとか、そういったことは把握できます。
なので、最初はものまねのように動いてました。手を振ったら、手を振り返したりとかして、積極的な友好を見せてくれます。
それから、ロッキーは口は無いですが、音は発します。人間では聞き取れない周波数の音も使うため、そのままでは仮に言語が理解できたとしても人間のグレースは聞くことが出来ません。
そこで、パソコンを通してロッキーが発する音を認識させ、少しずつ言語を翻訳させることで、コミュニケーションを図っていきました。グレースの言葉もパソコンを通して、ロッキーの言語にすることで、徐々に高度なやりとりが出来るようになります。

短く書くとこんな感じですが、小説内では、ロッキーとコミュニケーション出来るようになるまでの、トライ&エラーが長いページを割いて書かれていて、そこがまた面白い内容でした。
私としては、この小説に異星人が出てくると全然思っていなかったので、出てきてビックリしたのをよく覚えています。

本書は、主人公のライランド・グレースの視点に合わせて読み進めていました。その分、ロッキー登場時に、おお…宇宙人だ…と喜びと驚きがあったのです。


この、不思議なコミュニケーションシーンを見て、思い出しましたのが、ヘテロゲニア リンギスティコ。
この漫画でも、様々な異種族とのコミュニケーションが描かれています。ただ言語が違っているなんてものじゃなく、そもそも言葉も発しない種族も多数いて、新しい想像力を掻き立てられます。

といっても、10話ぐらい読んで止まったままだったので、これを機会に最新話まで読んでみようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?