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チルドレンゴッドの裁き 制裁② 警察宛の手紙

↑前回

--三日子みかこがネットニュースを見る少し前、警察に通報が入った。
『あの、警察ですか!?』
「ハイ、そうですが、事件ですか?事故ですか?」
受話器を取った横田よこた刑事が言い終わる前に、相手が叫んだ。
事件です!!ウチの子が「チルドレンゴッド」に誘拐されました!!
「『チルドレンゴッド」って、あの流行りの?」
横田も「チルドレンゴッド」のことは知っていたが、「バカバカしい」と一切興味を持っていなかった。
『そうですよ!』
「なぜ、誘拐だと?」
ネットニュースに書いてあったんです!!「チルドレンゴッド」に改心させられた子供の体には異変が起きている!それはクローンだっていう証拠!私の子にも異変が起きています!だから誘拐なんですぅ!!
…誰だネットニュースにそんなおかしなこと書いたのは…。いくらクローン技術が進歩したからってなあ、警察に迷惑はかけないでくれよ……
「身代金の電話とかは来たんですか?」
相手は黙り込んだ。
「イタズラならもっと手の込んだ嘘をついたらどうですか?では」
横田が電話を切ろうとすると、後輩の日村にちむらが血相を変えて走ってきた。
横田さん横田さん横田さあん!!
「んだよ日村うっせえなあ」
「これ!!」
日村は髪を見せてきた。それはよくある(?)脅迫状だった。新聞とかの文字を切り抜いて貼り付けたようなやつ。
「なんだこのまさに“これは脅迫状です!”っていう紙は…」
「とりあえず内容を!」
横田は渋々脅迫状を受け取った。

『チルドレンゴッドだ。
 99人の子供を誘拐した。
 クローンの話は本当だ。
 子供達を返して欲しければ、
 今月末までに全ての親から金を取れ。
 名簿はつけておく。
 額は親一人につき50万。
 誰か一人でも金が足りなかったら、
 誘拐した子供を全員殺す。
 これは俺の復讐の第一歩だ。』

「なんだこれ…」
「今日直接投函されたものですよね」
「ああ…」
プルルルルルルル!
「また電話?」
「取ってみてください!『チルドレンゴッド』かも!」
「縁起でもねえこというんじゃねえよ」
横田はおそるおそる電話を取った。
「警察ですが、事件ですか?事故----」

『チルドレンゴッドです』

横田はハッと顔をあげた。
[日村!!]
[まさか、奴!?]
横田は黙って頷いた。
「はあ、『チルドレンゴッド』さん、最近何かと話題になってますね」
当たり障りのない返事を返す。
「それで…どうしますか?」
私は本物です
「それくらいわかってますよ」
じゃあ手紙は届いたんですね
横田は日村を手招きした。
手紙脅迫状のことも知ってる…おそらく本物だ。日村、耳を傾けて電話を聞いてろ]
[ハイっ!]
「それで…ご用件の方は?」
あえて脅迫状には触れない。

『あの手紙に書いてあることは本当です。これを分かっておいてください』

[!!]
[じゃあ、金を集めないと!]
[待て、全部聞け]
疑っていらっしゃるのであれば、今、悲鳴を聞かせてやっても良いのですよ?
「や、やめてください!分かりましたから!」
『では、手紙の通りに、お願いします』
電話が切れる。
「よ、横田さん、どうします!?」
「まずはメディアに言おう。そして、…今の電話は録音しておいた…。

この手紙と録音を、上官に見せる」

--そして、三日子はというと……


すみません、来週から投稿できない日がちょくちょくできるかもしれません…
(プロットが追いついていないんです…)

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