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新連載! チルドレンゴッドの裁き 制裁①     改心した(変わった)子供

一日遅くなりましたが、新連載、「チルドレンゴッドの裁き」開幕!!

本編

「ねえ三日子みかこ、『チルドレンゴッド』って知ってる?」
「え?何それ」
ここは大良おおよし幼稚園のすぐ近くの公園。私、藤村三日子は、子供を幼稚園に送り届け、公園でママ友の九美くみとおしゃべりをしている。
「なんかさ、ワガママな子供のいる親が、住所、自分の子供の名前、をメールで送ったら、その子供を改心させてくれるんだって」
「誰にメール送んのよ」
「そりゃあ『チルドレンゴッド』に決まってんじゃん!今までにいろんなワガママな子供を改心させてきたから、“子供の神”…『チルドレンゴッド』って呼ばれてるんだって。
「へえ」
「あんたも送ってみたら?あんたの子、結構ワガママなんでしょ?」
「ん…まあね…」
確かに、私の子供…大司たいしは結構ワガママな子だ。最近はだんだんわがままがエスカレートして行っているので、とてもストレスが溜まって言ってるところでございます。はい。
「今めっちゃ話題なんだよ!常識、常識。知らない方がやばいってくらい」
「私は流行に乗らない主義なんで〜」
「…とにかく、メール送ってみたら?ちゃんと改心してくれるんだからさあ」
「『改心してくれる』って、…あんたまさか、やってもらったの!?」
「え?うん」
「住所送って?」
「うん」
「そ、そんな危ないこと、するわけないじゃない!」
「え〜、もったいない」
「私はお断りだわ、そういうの」
「そっかあ…でも」
九美はスマホを構えた。
メアドだけでも送っとくっ!!
「ちょっ、やめてよ〜」
「気が向いたらやってみな、ホントに便利だぜ」
そう言い残して、九美は職場に向かって行った。
「…私も行かなきゃ」

私が勤めているのは、ごく普通のIT系の会社。残業とかがない限り、定時には帰ることができる。(ちなみに18時)
それが…今日に限って大量の残業を任された…!
「うっそお…」
私はスマホを出し、夫のひろしにメールを送る。
<ごめん、今日遅くなるから、大司迎えに行って、ご飯も食べさせてやってくれる?>
<了解!>
<ありがとー!>
「よし!」
これで心置きなく残業できる!

−–ここはとある家。男の子が一人で遊んでいる。そこに忍び寄る怪しげな影…
影は男の子の口に猿轡をはめ、両手両足を縛った。
ん!?ん〜!!ん〜!!!
男の子は必死に叫び声を上げる。
影は言った。
これより、『チルドレンゴッド』の“任務”を始める

残業終わったあ!!
私は大きく伸びをして、帰宅する準備を始めた。今はもう20時。
「…結構遅くなったけど、あの子、大丈夫かな…」
その呟きに応えるように、メッセージがきた。
<今からお風呂入ります!ちゃんと晩ご飯食べさせといたよ>
私はほっとため息をつき、電車に乗った。

「ただいまー!」
私が玄関のドアを開けると、夫が出迎えてくれた。
「おかえり」
「…へえ、珍しいじゃん。いつもは研究室に篭ってばっかりなのに」
「さっきお風呂入らせたとこだからそんな時間ないよ!」
「すみませ〜ん」
言い忘れていたが、夫は研究者?的な感じの人間だ。クローン?かなんかの研究をしているらしい。夫は意外と有名人だ。夫の活躍により、今現在、クローンの技術の進歩が発達している。何に使われるかは知らないけど。
「大司もう寝た?」
「うん」
「ありがとう」
私は大司の様子を見に、寝室へ向かった。
「よ〜し、寝てるな」
私は大司を撫でてやる。ワガママだけど、可愛い息子だ。
…ん?
大司の目の色、なんか違うような…
私は電気をつける。大司は起きない。
「…やっぱり違う…!!」
大司の目の色が、不自然に、黒から赤に変わっている
なんで…!?
ピロン!ケータイが鳴る。九美からメッセージが来た。
<なんか私の子供、髪の毛の色が変なんだけど…>
画像付き。確かに、前まで九美のこの髪の毛は黒だった。それが明らかに茶色に変わっている。
『チルドレンゴッド』に改心させた頃くらいから変わったんだけど…>
じゃあ私の子も「チルドレンゴッド」に…?夫の仕業か!?
「…おせっかいだよ!」
昔から夫はこういうところがある。本当に良い迷惑だ!私は会心なんて望んでないんです〜。
私は寝室を出て、日課となっている行為----ネットニュースを見た。
「チルドレンゴッド」による誘拐事件!?
少し前、「チルドレンゴッド」に改心させられた子供には、体になんらかの異変が起こっているという情報が、SNSに拡散された
この情報はデマという可能性はあるが、これを取り上げたワイドショーで、興味深い意見が出ていたので紹介しよう。

「髪の毛の色なのが変わった子供が帰ってくるというのが本当なら、変わった子供改心した子供の正体は、

『チルドレンゴッド』が作り上げたクローンである

なんてことを思ったんだよね」

……』
「…なんなの、このニュース」
じゃあうちの子がクローンだっていうの!?しかもクローンの技術は夫が進歩させたよ!?だから犯人は私の夫ってわけ!?ふざけんな!!
私はスマホを床に叩きつけたくなった。すると、

『速報 警察に、「チルドレンゴッド」からの脅迫状届く!?
先ほど、テレビで放映されたように、警察に、「チルドレンゴッド」誘拐犯説を裏付けるような、脅迫状が届いた、ということが、警察から発表された。警察は、慎重に操作を進めていく方針で…………』

……………………

続く

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