Prologue
「α地点」。はじまりの地。
とある集落。その集落は、隣同士の集落と、長い争いを続けていた。争い、は、戦争レベルにものぼっていた。「α地点」のほとんどの人間は、銃なんて普通に持っていたし、大砲まで持っている者までいた。
昔からの伝統、とでも言おうか。伝統なんて生やさしいものではないが…。
「α地点」と呼ばれる島では、国境がなくなる前から戦争が続いていた。
理由はわからない。ただなんとなく、昔からやっていたから。そんな理由で、戦争が起こる。それがこの「α地点」。
集落1と集落2とでもしようか。ともかく、その二つの集落での戦争は、激しさを増していた。
これは、そんな中で起こった、ある男による、歴史を変える、一つの物語。
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生き地獄。一生使わないと思っていた言葉だと思っていたのに。
転がる死体。響き渡る誰かの悲鳴。腹の空きはおさまらず、飢えに苦しむ毎日。
これは戦争だ。終わりの見えない戦争。
俺が死ぬのは時間の問題だろう。そんなことは理解していた。
俺はなぜ生きている?俺の生きている意味はなんだ?そんなものはなかった。誇れることなんて無かった。
でも…
「死ぬ前くらい、意味のあることさせてくれよ……」
俺は手帳とペンを取り出した。この地獄に直面する、「あの男」とその仲間たちのために、必要な情報を書き残すために。
To be continued…