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LINEの生活

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LINEの生活の記事まとめ!
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#SNS

LINEの生活 シーズン5(最終章)完全版

判断見慣れた光景が広がった。立ち並ぶ数々の工場。なぜかあたりが騒がしい。まるで、電波に不都合が起こって、テンヌキのいたLINEの世界に戻ってしまったようだ。 東は自分のいる場所を確かめるため、聳え立つ大きなスマホに駆け寄った。 『和樹』と表示が出ている。 クローンの東は、まだ和樹とLINEをしているようだった。 「よし、じゃあ...」 東はクルッと後ろを向いた。屋敷が見える。 「行くぞ...ってうわああ!」 東が走ろうとした時、誰かに頭を掴まれた。 「だ、誰!?」 東は掴まれ

LINEの生活#8 絵文字工場

「絵文字工場」のドアが開いた。ここは二階建ての工場。一階が受付で、二階が工場だ。ここは、誰でも好きなように工場に入って絵文字を作って良いわけじゃなく、一年以上、「『ボス』の家来」という肩書きがないと入っては行けない仕組みになっている。 「お」が受付の前に歩いていく。受付は相変わらず清潔だ。受付にいる、「管」の文字が、「お」に言う。 「カードをお見せ願います」 「お」は持っていたカードを受付の目の前に持っていく。 「では、このカードが本物かどうか確かめます...多分本物でしょう

LINEの生活 #7 この世界の「ボス」③&蛇足かもしれませんがLINEの生活 #5、6おさらい

「この世界の総理大臣的な奴は、みんなから『ボス』と呼ばれている。その、『ボス』は、お前んとこの世界か、ここの『クニ』を治める、つまり、LINEの世界を治めるのが役目だ。主に、俺たちが作られるもととなる工場の管理や、食料の配給などが仕事だ。えーっとね、まれに、工場に事故が起こることがある。お前んとこの世界や、『クニ』でいう、停電とかだな。事故が起きたときは、文字や食料が作れないだろ?だから、人間の世界から、食料、緊急の時は人間を連れてきて、手作業で、そういう専門の文字が、LIN

LINEの生活 #4 文字の仕事②

文字の仕事②「ここは見ての通りLINEというSNSの世界。ここには数え切れないほどの種類の文字がいる。人間が何か文字を打ち込んだら、打ち込まれた文字のやつが、あの大きなスマホの中に飛び込む」 「お」は、すぐ隣の大きなスマホを指した。 「あ、あの、食事は…人間に姿を見られてないんですか…?」 「え?あ、ああ、お前、もともと人間だったやつ?!食事は大丈夫。ほら、食べ物の絵文字があるだろう?あれ、俺たちにだけ食べれるんだよ。なんで人間には姿を見られていないのかっていうと、ここはあの

今からでも追いつける(?) LINEの生活 おさらい

今日は今連載中の「LINEの生活」のおさらいとして、今までの話を全話一挙配信! 流石にややこしい話になったかな?と思ったので、載せることにいたしました! 東湊太ピロン!スマホの通知音がなり、東湊太(あずまそうた)は、自分が寝そべっていたソファーから身を起こし、スマホを取った。友人からLINEが来ている。 和樹{今日、予定ある? 7:00 湊太{特にないけど 7:01 和樹{お袋から映画のチケットもらったんだけど、来る? 7:01 湊太{いいよ 7:02 和樹{わかった!ホ

LINEの生活 #3 文字の仕事

「う、うーん」 起き上がった東は、スマホの中にいた。いや、これは東の意識が入った、「東」の文字、と言ったほうがいいかもしれない。そして、東の意識が入った、「東」の文字(何度も何度も東の意識が入った、「東」の文字と書くのはややこしくなるので、この後は東と書き表す)の目に映った景色は、想像を絶するものだった。 「は!?ここLINEの…」 東の目に映った景色を詳しく説明する。 そこには、私たちの世界にもあるような、5階建ての、煙突がついた大きな工場のような建物が、そこら中に、数えき

LINEの生活 #2 東湊太②

東のブログで東がフォローしている人数は五千六人、フォロワー九千四百人。とても人気だ。ブログには、「東(ひがし)の長編小説」というタイトルがついている。ペンネームは「東(ひがし)湊太」だ。東は毎日、長編小説を一作書いて、ブログに載せている。ジャンルは主にSF、ファンタジーやミステリーなど。(恋人がいない歴イコール年齢なので、恋愛系は一切書いていない)『毎日こんなに長くて面白い小説が書けるなんて!』『あなたは天才ですか!?』など、コメントも好評である。そして今日も、長編小説を書き

新連載! LINEの生活 #1 東湊太

ピロン!スマホの通知音がなり、東湊太(あずまそうた)は、自分が寝そべっていたソファーから身を起こし、スマホを取った。友人からLINEが来ている。 和樹{今日、予定ある? 7:00 湊太{特にないけど 7:01 和樹{お袋から映画のチケットもらったんだけど、来る? 7:01 湊太{いいよ 7:02 和樹{わかった!ホラー映画だからな!一時に駅に集合! 7:03 (げっ!よりによって大嫌いなホラー映画かよ…) 東はチッ、と舌打ちして、スマホを机の上に戻した。 東湊太。そこそ