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LINEの生活 #2 東湊太②

東のブログで東がフォローしている人数は五千六人、フォロワー九千四百人。とても人気だ。ブログには、「東(ひがし)の長編小説」というタイトルがついている。ペンネームは「東(ひがし)湊太」だ。東は毎日、長編小説を一作書いて、ブログに載せている。ジャンルは主にSF、ファンタジーやミステリーなど。(恋人がいない歴イコール年齢なので、恋愛系は一切書いていない)『毎日こんなに長くて面白い小説が書けるなんて!』『あなたは天才ですか!?』など、コメントも好評である。そして今日も、長編小説を書き始める。
『その日』
「うーん」気に入らなかった様で、文字を消して書き直した。
『時は二千XX年』
「おお!良いじゃん!」多分今日書くのはSFだろう。
エンターキーをおし、次の行に移った。
『時は二千XX年。
 日本は..』
カタカタカタ…
ピロン!小説を書いている途中に、スマホが鳴った。
「またLINEか?」
東はスマホを撮って、ロック画面を開いた。そうすれば、誰から来たのかわかるだろう。
『非通知 から、LINEが来ています 💬』
「は?非通知!?電話ならあり得るけど、LINEじゃあそんなはずないよな…」
少し戸惑いながらも、東はLINEを開いた。

非通知{相談がある 8:15
非通知{お前も来るか? 8:16
非通知{来い 8:16

「は?これ、壊れた?どういうことだよ?意味わからん」
LINEに非通知のやつからメッセージが来たこと、そのメッセージの内容の意味不明さに東は慌てた。
「悪戯か!?いや、でも…そんなことできるのか…」
と、その時!!!東のスマホが大きく光った!!!!!!
「な、なんだ!?」
ピカああああああああああ!!!!!
光が東を包み込んだ後。グニュ!東の腕が勝手にスマホの中まで動き———スマホの中から、漫画やLINEで使われるフキダシが飛び出し、東をスマホの中に引っ張り込んだ!!!
「や、やめ…」
スポン!
東がスマホに引き摺り込まれた後、
タンスから———東が出て来た。

続く

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