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本を買うことがこんなに大変とは

私の地域では、緊急事態宣言が出ている。緊急事態宣言が出ると、普段は自由に利用できて、ごく当たり前に行ったところに制限が出てくる。

緊急事態宣言では、スーパーでも専門店街をもつ大手スーパーとなれば、スーパーが運営しているコーナーは開いているけれど、専門店街はシャッターで閉ざされてしまう。

私は、先日用事でスーパーに立ち寄った際に、専門店街に通じるシャッターがおりていて、さすがにびっくりした。短縮営業でもびっくりしたのに、まさか専門店街が閉まるとはねぇ。

そこへようやく一日おきのリモートワークに切り替わった主人。帰宅してから、しょんぼりして帰ってきた。

「ペンさん、聞いてよ。梅田の本屋さんが全部閉まってた。欲しい本があるのに困ったよ」

と嘆いていた。主人は、通勤の友に小説を読む人だ。ただし、読む本の幅が狭く「三国志」シリーズといった戦記物が好きで、どんどん読了した本はたまる。

いつも休みの日には「いい加減に片付けなさい!売るなり処分するなりしなさい!」と子供のように叱るのが定番だった。

しかし、緊急事態宣言で本屋さんで実物を見て買えないというのは、主人にはかなりショックだったらしい。そこで「Amazonで買ったらどう?」と勧めてみたけれど、「僕、ネットショッピングってしたことないねん。」と意外な返事をした。

私は、よくAmazonで本やパソコン周りものなどを購入するし、Kindleで漫画や小説を購入してダウンロードをして読んでいる。よく考えて見れば、主人は、ネットショッピングには疎い人ということを忘れていた。

1日おきに会社にいくとはいえ、マスクをつけて怖いながらも通勤電車に乗るのだから、何か気を紛らわせるものは欲しいだろう。主人の会社や職業がら、完全リモートにするのが難しい。会社が扱うものや事情を考えれば、家族からいろいろということもできない。それがないと、生きていけないのだから。

と話は戻り、しょんぼりしている主人に、私が以前使っていたKindleを初期化して渡した。娘の為にと購入したKindleが空いていた(通学中は勉強タイムが多い)ので、私が読んでいた本を空いているKindleに移した。

最初は抵抗感を感じていたけれど、私がダウンロードしたものの端末から外したものをみてもらった。気に入った本があれば、ダウンロードしてもらいしばらく慣れてもらうことにした。

Amazonでも注文はできるけれど、今はかなり配送が遅れていて、私が頼んだ本や絵本も少々時間がかかった。主人は「実物を見て買う」派の人なので、本はもちろんネットショップでの買い物が苦手な人にとって、緊急事態宣言で主人と同じような考えの人は、きつい話だと思う。

いつも通りの生活がいかによかったかと思うけれど、今は自分の命の方が最優先。制限は海外ほどきつくはないけれど、そのうちかなり厳しい制限がかかる可能性はある。

制限がある中で、いかに楽しく面白く過ごすことを考えることも大事で、好きなことでも工夫次第ではいつもと変わらないこともできる。ただし、本人が楽しくなくなって苦痛になれば意味がない。

今、そっと見ていると「ペンさん、しばらく借りていい?それと他に本を買うのに、どうしたらいいの?」と聞かれたので、購入の仕方は教えたけれど、カード決済で生活費を削られてはまずいので、プリペイドカード決済の方法を教えた。

ちょうど私がアカウントにチャージしようとしていたプリペイドカードがあったので、プレゼントした。

本屋さんには申し訳ないけれど、しばらくの間はKindleさんに頑張ってもらうことにする。今、電子書籍の普及で本屋の売り上げが落ちているのは知っている。それでも本屋があるのは、現物の本を読むことが好きな人に支えられているからだ。

緊急事態宣言はいろんな業種に大打撃を与えているけれど、今を乗り切れば、命さえあれば、なんとかできる。

そう信じなきゃ生きていけないからね。だから、今は制限がかけられる生活だけれど、発想の転換で自分の「こころ」や「家族」を守ろう。

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