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鰻重の思い出

朝からヘビー級な画像で申し訳ない。

昼から読んでいる人は「おいしそう!」と嬉しくなるかな?

中学の吹奏楽部時代のことを思い出すと、中1時代の顧問の先生が「おーい、〇〇の演奏会あるけど行くやついるかー?」と声を掛けてくれた。

招待券とは言っていたけれど、多分先生がポケットマネーで購入していたのはあると思う。

もちろん、OBの人でノルマがあってさばくのを先生にお願いした先輩はいる。

行きたい子は多くいたので、いつもあみだくじ。

私は外れた時はあるけれど、結構聞きたい楽団のチケットは当たっていた方だ。

演奏会当日は、クラブは早めに終えて駅で先生と待ち合わせて、都会まで行く。

フェスティバルホールか今ではもうなくなったホールにはよく行った。


なるべく早く着いて、夕食を食べようとなるけれど、いつも先生がポケットマネーでおごってくれた。

しかし、私達中学生というものは遠慮という言葉を知らないせいか、一度先生をかなり困らせた経験はある。

とある演奏会で、食べるところが少なくて、空いているお店が鰻丼屋さんしか見つからなかった。

他のお店は、コンサート関係の人で低価格のお店。

先生は少し困った顔をしたけれど、

「お前ら!ここで好きなものを食べていいぞ!」

と先ほどの鰻丼屋さんへ連れて行ってくれた。


鰻重セットしか用意できないという話だったので、私達生徒と先生は一瞬考えた。

「ここでいいんだろうか?おごりとはいえいいんだろうか?」

そこで先生は「気にせんでいいから、ええもん食べて明日から頑張れや!」と半ばヤケクソ状態だった。

この時引率した生徒は私を含めて8人。

鰻重セットは松竹梅の3ランクから選ぶ。「松」が一番高いけれど、遠慮をしらない先輩ひとりが

「俺、松でいいです!」

とあっけらかんと先生に伝える。

他の生徒はというと、先生の一瞬見えた「やめろよ、おい!」を察して、「梅」にした。


注文したものがテーブルに運ばれて、みんなで食べていたけれど、先生はというと私たちと同じ「梅」で食べていた。

なんだか申し訳ないことをしたなぁと、後で参加したメンバーで反省をして、後日先生のお誕生日にケーキをプレゼントした。

その時の楽団の演奏は素晴らしくて、わざわざ遠い大阪と和歌山の端境からやってきて、聞いてよかったと思う。

今でもその時の指揮者の振りや演奏は忘れられない。

その思い出はあるけれど、一番の思い出は鰻重問題だ。

この後の引率では、先生と行く子で食べたいものを話し合ってから出かけるようになった。

ちなみに、この鰻重事件(?)は、行った生徒の間では、いつまでも頭から離れない思い出になった。

先生、ごちそうさまでした。


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