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全ての企業がキャラクターを持つ時代が来るかも? !『ゼロから始めるキャラクター戦略』②〜作成編〜

キャラクターを作ると聞いて「自分には関係ない」と思いました?
実は、インターネット社会で自分をブランディングするのにとても重要なことなのです

こんにちは、ペンシルです✍️
ペンシルの研究開発部門であるヒューマナライズマーケティング研究室
特殊研究機関『is』の高木と申します。
主に心理学の分野を研究しており、その知見をもとに分析業務をおこなっています。

前回、第1弾の記事を投稿してから
Netflixの公式VチューバーN子・メイ・黒野さん』が登場するなど、
キャラクター戦略は徐々に広がりを見せているようにも思えます。

  1. 第1回目では「なぜ今キャラクターが必要なのか」(公開済み)

  2. 第2回目では「好かれるキャラクターの作り方」

  3. 第3回目では心理学観点から「キャラクターの運用法」

今回はその全3回の第2弾
「好かれるキャラクターの作り方」について、ご紹介します。


◯「人っぽさ」があることが鉄則

人型ではないキャラクターであっても、どこかに「人っぽさ」があることは重要な要素です。

なぜなら、人っぽさは意思疎通が取れる気がするから。
ペットで犬や猫が人気の理由の1つの要因が、この意思疎通が取れている感にあります。
意思疎通が取れない対象は「未知」ですから、人は少ならからず苦手意識を抱きます。

そうならないためにも、人っぽさは必要な要素です。
この人っぽさは「性格・感情表現・見た目」である程度は表現できます。

ここで、こんなことを思った方もいらっしゃるでしょう。
「人っぽさなら人でもいいのでは?」と。
まさにその通りです。
以前ご紹介した赤月ゆにさんの様に存在そのものが企業を体現するタイプのキャラクターであったり

最近ではTik Tokなどを企業が活用している例も多く見受けられます。
Tik Tokである一定のコンセプトのコンテンツを同じ人が発信することも
キャラクター戦略の1つです。

しかし、毎回一定のイメージを与えなければならないので、ブレやすい人間だとそれを行うことはなかなかに難しい…
そのため、これからご紹介する「キャラクターの作り方」に気をつけていただければ、たとえ人間であっても似たようなことが可能です。

◯性格を作る

人っぽさには性格も必要です。
さらに、その性格は必ず予め設定しておく必要があります。
なぜなら人は「一貫していないものに不信感を抱く」傾向があるからです。その場その場で発言・発信する内容が変わってしまっては
人間で言うところの
「情緒不安定な人」もしくは「調子いいやつ」になってしまいます。

企業やブランドの顔となるキャラクターがそんな印象では
プラスになることはないということが想像に難くないでしょう?

◇BIG5から作る

性格を作るのに、使いやすいのはBIG5と言われる、心理学では最も有名な性格分類方法です。

この5つの特徴から性格を分類するというもの。
発信する内容、企業やブランドの印象に合うものを設定するように心がけてください。
この性格で、今後の発信の方向性などが決まってくるので
実は最も時間をかけるべきポイントかもしれません。

とは言え…実際にやってみると組み合わせて考えるのは、難しいもの。
そんなときはコチラの研究を活用してみてください。
ノースイースタン大学が、世間にはどんなBIG5の組み合わせの人が存在するの?という研究をおこなってくれていて、多くの人が当てはまる4つのグループに分けてくれています。
最初はこの4つをスタート地点としてみるのも良いかもしれません。

※グラフはイメージです

また、類似性といって、人は自分と似た・関係のある相手やモノに好意を抱いたり受け入れやすかったりする傾向があるので、自社の製品やブランドのターゲットを徹底的に調査し、ターゲットのパーソナリティに近づけて性格を設定するのも1つの手です。

◇ギャップは忘れずに
ギャップと聞いて「あーはいはい」と流したくなるかもしれません。
しかし、重要なことなのです。
バーナム効果をご存知の方は多いでしょう。
誰にでも当てはまるような文章などを自分のことかのように捉えてしまうアレです。

では、なぜバーナム効果が起こるのだと思いますか?
自分とは逆のことを言っていたりするのにも関わらず…
もう、お分かりですね?
人間には、ほぼ必ず「二面性」が存在します。
この二面性が「ギャップ」です。

常に優しい人や常に怒りっぽい人なんて存在しません。
環境がそうさせるのです。
ですから、「ギャップ」は人間味を表現するのに必要な要素なのです。
また、遠くの存在と感じていた対象が近くに感じるタイプのギャップは特に効果的です。

しかし「二面性とギャップって違うのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
例えば
男性目線だと、美少女に少しおじさんっぽいところがあると好感が持てたりしませんか?
これは女性という性別の異なる対象が、「おじさんっぽい」という自分に少し近づいた感覚が生み出すものです。
しかし、美少女本人に「あなたは普段は女性らしいけれど、少しおじさんっぽいところがありませんか?」と言うと「あるかもー!」と同意します。

美少女を見てる側からすると「ギャップ」ですが、美少女本人にとっては「二面性」です。
ギャップと二面性は必ずしも違うものではなく、視点の違いだったりもします。

◇価値観から作る

価値観とは「何を重要視していて」「何が好きで」「何を目的としているのか」といったように、行動や発言の軸となるものです。

ここがはっきりせずぶれてしまうと、一貫性がなくなり
一気に発言や行動に信頼性がなくなってしまいます。

また、人には「儲かっているやつは嫌だ!きっと悪いことしてる!」と思ってしまう嫌儲バイアスが備わっています(エラスムス大学)。

価値観が決まっていると行動原理がはっきりするので「ただ儲けている」というイメージを逸らすことができます。

価値観を設定するときに活用できる質問を置いておきます。ぜひ使ってみてください。
(※主語はすべて「そのキャラクターにとっての」「そのキャラクターは」として考えてください。)

キャラクター自身について

  • 目的や最も実現したいことは?

  • 自由とは?

  • 何を望んでいる?

  • "他者との調和" と "他者から突出する" のどちらを好む?

  • 最も重要だと思っていることは?

キャラクターが思う他者との関係性について

  • 他人にどのように記憶してもらいたい?

  • 注目されるとはどういうことだと思っている?

  • 誰に/何に感謝している?

  • 友人関係を築くために必要だと思っているものは?

  • 信頼とはどういうことだと思っている?

キャラクターの生活について

  • "良い人生" または "良い1日"とは?

  • 強くしてくれる、勇気をもらえるものは?

  • 学ぶとはどのようなこと?

  • 誰に/どんな人に多くのことを学んでいる?

  • 誰に/何に憧れている?

キャラクターにとってのネガティブについて

  • どんな葛藤を抱えている?

  • どんなこと/何が嫌い?

  • 最も受け入れがたいことは?

  • 何にが起きたら失望する?

  • 何に迷っている?

◯感情を作る

◇感情表現は好意を生む

第1弾でもご紹介しましたが、
信用される・好意を持たれる条件に「感情表現や表情が豊か」というものがあります。
感情を作り表現することができるようにすることは、キャラクターを作る段階で必ず考えておいてください。

◇感情表現に必要な要素

感情を表現するためには、分かりやすいツールが必要になります。
そのため、以下の様な要素はキャラクターを作るときに取り入れておくべきものです。

  • 表情

  • 肌の色(血色)

  • 動かせる手足や触覚、しっぽなど

◯見た目を作る

最後に見た目について触れていきます。
見た目に関しては、企業やブランドのイメージを反映させなければならないので「これが確実!」といったものは存在しませんが、そんな中でも抑えておいて損はない基本的なポイントをご紹介します。

◇共通の好印象な条件

ブランダイス大学が印象が良くなる見た目の条件をまとめてくれています。

  • 童顔的特徴
    赤ちゃんの顔を想像していただくと、特徴としては違いないかと思います。おでこが広く、目が大きくて、丸顔であごが小さい。
    これらの条件は文化圏問わず、好印象を与える見た目のようです。

  • なじみ深さ
    何となく見覚えがあるような見た目のこと。見覚えがあるからこそ好感を抱きやすいです。また、人は見た目が似ていると「同じ性格」と捉えがちな傾向があるため、与えたい印象をすでに持っているモノやヒトに見た目を寄せてみるのもよいでしょう。

  • 健康性
    人は基本的に、健康的な見た目を好むので「健康に見える」見た目は好印象を与えます。

  • 感情の類似性
    広角が上がっていたり、目がたれていたり、表情を変えなくても「幸せそう・楽しそう」に見える顔の特徴のことを言います。こういった特徴の顔は好感を抱かれやすいようです。

これらの要素は共通して印象がよく見えるので
見た目を設計する際には外しすぎないようにするのが吉です。

◇分かりやすい差別化・特徴

とは言え、ありきたりな見た目では印象にも残らず、覚えてもらえません。さらに度が過ぎると「パクリ」と言われかねません。
そこで、基本の中に何かしらの差別化できる目立つ特徴を取り入れる必要があります。
この差別化ポイントが「企業やブランドイメージの取り入れ」のポイントです。
色合いだったり、装飾だったり、髪(毛)の色だったりと、イメージの具現化をしてみてください。

◇デフォルメしやすさ(説明しやすさ)

繰り返しになりますが、分かりやすい、伝えやすいというのは何においても重要な要素です。
人は分かりやすいもの、理解しやすいもの、言語化しやすいものを好みます。
なので「デフォルメしやすいか」ということは、重要な要素になります。
キャラクター自体には複雑性があっても良いですが(好奇心はそそられるので)デフォルメしやすい特徴を組み込んだ方が好まれやすいです。

◯まとめ

  • 人っぽさを取り入れる

  • BIG5を使って性格を設定する
    外向性 / 開放性 / 誠実性 / 協調性 / 神経症傾向

  • 価値観を定める

  • 感情表現ができるようにする

  • 見た目は好印象の共通の特徴から外れすぎないようにする
    童顔的特徴 / なじみ深さ / 健康的 / 感情の類似性

  • 分かりやすい差別化 / 特徴を見た目に取り入れる

  • デフォルメしやすさに気を使う

ここまで読んでみてお気づきの方もいらっしゃると思いますが…

そう。最初のメッセージにもあったように、これらの要素は「自分をブランディングする」ときにも使えるのです。

その詳しい方法などは、また後日記事を書きますね。

いかがでしたでしょうか?

次回は
『全ての企業がキャラクターを持つ時代が来るかも? !『ゼロから始めるキャラクター戦略』③〜キャラクター運用編〜』でお会いしましょう。

お読みいただきありがとうございました。



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