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全ての企業がキャラクターを持つ時代が来るかも? !『ゼロから始めるキャラクター戦略』①〜導入編〜

キャラクターと聞いてなにが思い浮かびますか?
みなさん、なにかしら浮かぶキャラクターがいますよね。
今日はそんなお話。

こんにちは、ペンシルです✍️

ペンシルの研究開発部門であるヒューマナライズマーケティング研究室の高木と申します。 主に心理学の分野を研究しており、その知見をもとに分析業務をおこなっています。

以前にはこんな記事も書いてます。

ぜひ読んでみてください。


今回は全3回の構成になっております。

第1回目では「なぜ今キャラクターが必要なのか」
第2回目では「好かれるキャラクターの作り方」
第3回目では心理学観点から「キャラクターの運用法」

について、ご紹介します。

これを全て読み終えたあと…あなたは思うでしょう…
「なんでいままでキャラクターを作らなかったんだろ...」と

◯はじめに

5Gや6G、ロボティクスの向上にIoT化へ向けた取組み、AI研究など技術の革新や未来に向けた取組みが盛んです。人類は映画やアニメでみた近未来の世界へ向けて歩みを確実に進めているように感じます。

世界のあり方や価値観が変わっていくことでしょう。

しかし、変わらずに存在し続けている、とくに日本では、むしろ時代の流れに合わせて進化しているものがあります。

それがキャラクターというコンテンツです。
漫画やアニメの世界だけにとどまらず、各県がゆるキャラを制作したり音楽業界ではボーカロイド、動画業界ではVTuberが台頭するなどキャラクターというコンテンツは様々なジャンルにおいて、時代に関係なく根強く存在しています。

私は、このキャラクターというコンテンツの台頭が、これから先の未来、より強まってくると考えています。

〜なぜいまキャラクターなのか 理由その①〜
IoT時代とキャラクター 

街中がIoT化し、ネットと現実の境界が曖昧になった世界。

私たちの日常はいまとは違うものになっているでしょう。ほとんどのサービスは、家にいながらその利益を享受できるようになるかもしれません。そうなると顧客のニーズや要求も多様化していきます。しかし、その全てを人間が対応するのには無理があります。

そのため、顧客との窓口の中心はAIなどが担うことになるでしょう。しかし、そこで機械特有の「冷たさ」を顧客に与えてしまってはロイヤルティや企業に対する印象が下がってしまいます。

そこで、キャラクターの活用です。

企業独自のキャラクターは企業の特徴を印象づけるとともに他社とのサービスの差別化を図ることができます。というのも、キャラクターを「企業の顔」として使うことで、その「企業の顔」とコミュニケーションをとるわけですから、顧客はいま受けているサービスと企業を密接に結びつけて考えることができます。

つまり、類似商品・サービスでもキャタクターが変わることによって、顧客の中での棲み分けが明確になるのです。もしかしたら、このコロナ禍の対人への不安も後押しになるかもしれません。

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〜なぜいまキャラクターなのか 理由その②〜
SNSとキャラクター

◆人は繋がりを求める

IoTが進化しても、人は古来より集団で行動してきた生き物ですから、"人とつながりたい欲" は消えません。手軽に人とつながることができるSNSは、形を変えたとしても、決してなくならないのです。むしろ、ネットと現実の境界が曖昧になった世界では、いまよりずっと手軽にSNSにアクセスできるようになる可能性を考えると、現在よりも加速するでしょう。

そんなフィールドを企業が見逃す手はありません。

◆中の人がただ投稿しても面白くない

しかし、ただただ運用しただけではうまくいきません。なぜなら、企業ロゴが発信するメッセージだと「人間味を感じとりにくい」からです。どうしてもメッセージの熱量や感情が伝わりにくいので、顧客の心には響きにくいのです。

そこで登場するのがキャラクターです。

キャラクターには特有の姿と声が存在します。
それは、誰でもそのキャラクターになれるという特徴を有していることを意味しています。つまり、あらゆる方法で「同一人物」がメッセージを発信することができるのです。

◆SNSへの汎用性

また、キャラクターには人格があります。
正確には、人格を設定できます。そのため人間味とまではいかないまでも、感情を投影しやすくなります。

加えて、前述したキャラクターの特徴により、SNSの形態が移り変わろうとも対応できるのです。

Clubhouse(クラブハウス)、Twitter、Instagram、YouTubeなどがありますがそれぞれ投稿の方法が違います。しかし、キャラクターならばその全てを網羅することができます。さらに、見た目と声が統一されていればよいので、いわゆる中の人は得意な人がやればいいのです。

しかし、投稿を受けとる側からすると、「同一人物」なので一貫性を感じることができるのです。

Clubhouse(クラブハウス)などは、音声を活用したサービスなので手軽に業界をまたいだトークを展開できますが、やはり「よく知らない誰か」が話しているよりも「よく知っているキャラクター」が話している方が、注目度は上がります。

また、キャラクターは「企業の顔」ではあるものの、商品やサービスに依存しないので、業界をまたいでコラボ企画を実施し、まだ見ぬ顧客との接点を持つことができます。

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〜なぜいまキャラクターなのか 理由その③〜
企業の人格としてのキャラクター 

また、キャラクターを活用することで企業の人格を体現・表現しやすくなります。企業名・ロゴ・文章体での人格だけだと、単なる情報でしかなくなってしまうのが現状です。

しかし、キャラクターを活用することで「こういう人(キャラクター)」として認知・記憶されるため、企業の人格を顧客に認知させることがいまより容易になります。

つまり、企業内スタッフの集団意識や企業が掲げている目標や方針が キャラクターを通して人格として形成され、顧客に届き浸透していくのです。

たとえばSUNTORYさんの「燦鳥ノム」さんというキャラクターがいます。

燦鳥ノムさんが、ユーザー目線の発信をすることでSUNTORYさんの商品を飲む理由を新たに創造しています。また、どの商品がSUNTORYさんの商品なのかを認知させることができています。

まさに『燦鳥ノム』というキャラクターが注目を集め、Twitterなどでコミュニケーションをとることで生まれたキャラクター活用の代表例といえます。


その他にも、キャラクター/クリエイターマネジメントなどの事業を展開しているゆにクリエイトさんは「赤月ゆに」さんという「叡智あふれる1000歳超えの吸血鬼」という個性をもった”実在の人物”としてのキャラクターが会長をしています。

赤月ゆにさんは、存在そのものがまさに企業を体現しています。自らが動画を作成し投稿し、視聴者とコミュニケーションをとることで「ゆにクリエイト」がどんな会社なのかを示しています。

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◯キャラクターの6つのメリット

最後にキャラクターそのものが持つメリットについてご紹介します。

①表情があるものを信用する

 信用される条件に「感情表現や表情が豊か」というものがあります。
 キャラクターはロゴと違って「表情」をつけることができるため感情表現が容易になります。また、特に幸福そうな表情は信頼を得やすいことがわかっている(ニューヨーク大学)のですが、キャラクターは人と違い完全に表情をコントロールすることができるため印象のコントロールが容易です。

②展開しやすい

 キャラクターは動き、話し、考える(そうみえる)ので、動画や画像、音声媒体など使い道の幅が広がり、露出を増やすことができます。

③単純接触効果

 サービスや露出の展開がしやすいため、露出を増やすことが可能です。露出が増えると多くの人の目に触れます。人は接触する頻度が高いものに好意を抱き高く評価します(単純接触効果)。

④記憶されやすい

 記憶には反復が重要です。露出が増えるので必然的に反復して出会うことになります。また、キャラクターには感情や、まさしくキャラクター(性格)があるので記憶に残りやすいです。キャラクターが宣伝や広告することで必然的にそこに「ストーリー」が生まれるため、記憶への残りやすさは加速します(プリンストン大学)。

⑤タイアップしやすい
 
 いままで企業間のタイアップというと、サービスや商品が中心でしたが、キャラクターを採用することによって、それらに依存しない「コラボ企画」をすることができます。顧客への印象づけやロイヤルティ向上に軸をおいたタイアップが可能となるのです。


⑥メッセージに感情をのせやすい
 
 企業がメッセージを発する際に壁になることのひとつに「いかに共感してもらうか」があります。なかなか文章などでは伝わりにくいものです。しかし、キャラクターを使うことで感情表現が可能になります。しかも、そのキャラクターは企業の人格を体現しているので、メッセージと感情に一貫性が生まれます。人は感情とリンクしたメッセージに共感しやすく、一貫した物を信用しやすいので、メッセージを届ける媒体として適しています。

◯まとめ

・キャラクターコンテンツは時代を超えて根強く存在している
・IoT時代にはキャタクターによってサービスの差別化が生まれる
・SNSは企業にとって格好のフィールドであり、キャタクターが真価を発揮する
・キャラクターで企業の人格を浸透できる
・キャラクターの6つのメリット
  ①表情があるものを信用する
  ②展開しやすい
  ③単純接触効果
  ④記憶されやすい
  ⑤タイアップしやすい
  ⑥メッセージに感情をのせやすい

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いかがでしたでしょうか。

キャラクター活用は単に注目度を上げるだけでなく、ファン獲得や顧客の感情に働きかけることを容易にする有用なツールだと思います。

本気でキャラクター、作ってみませんか?


次回は
『全ての企業がキャラクターを持つ時代が来るかも? !『ゼロから始めるキャラクター戦略』②〜キャラクター作り編〜』でお会いしましょう。

お読みいただきありがとうございました。


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