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ぺも短篇集

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2021年10月の記事一覧

サンカク[超短編小説]

サンカク[超短編小説]

 30年前のその日は、丁度今日のようなかんかん照りだった。正直言ってこんな茹だる暑さで行く気も失せていたが今更ドタキャンなど言い出せず、朝の7時きっかりに公園に集合した。今思えば彼らも同じ考えだったかもしれない。

公園に集合して、W君とT君と歩いて山へ向かう。特に会話もなく1時間程で予定通り山頂に着いたが、そこに感動は無い。お目当てはここから1時間先にいる。奴は山頂のような見晴らしの良い所を好ま

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蝉丸についての思い出

蝉丸についての思い出

これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関

私が最初に覚えた俳句である。百人一首にも記載される、蝉丸の句である。

「どの人もここで出会ってここで別れる、まさに大阪(逢う坂)の関だなぁ」という、恋愛の句が多い百人一首にしては少々異質な恋愛がらみでない一期一会を詠んだ句である。

私がこの句をどの俳句よりも最初に覚えたのには、とあるエピソードが関わっている。

幼稚園の年長の頃、

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