好きな男のくれた飴玉を舐めながら小説を書く私の、何が悪いのだろう。 手のひらに乗せられたまあるくて黄色いかたまりは、西日を透かしてキラキラと輝いていた。 私にとっ…
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2024年4月17日 21:07
好きな男のくれた飴玉を舐めながら小説を書く私の、何が悪いのだろう。手のひらに乗せられたまあるくて黄色いかたまりは、西日を透かしてキラキラと輝いていた。私にとってそれは、あの人がたしかにこの世に存在するということの証で、だから私はそれを食べずにとっておいた。ベッドサイドのローテーブルの上に。毎晩、私はそれをそっと指先でつまみ、ころころころころと弄んでから眠りにつく。透明はすでに半透明にな