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好きな男のくれた飴玉を舐めながら小説を書く私の、何が悪いのだろう。
手のひらに乗せられたまあるくて黄色いかたまりは、西日を透かしてキラキラと輝いていた。
私にとってそれは、あの人がたしかにこの世に存在するということの証で、
だから私はそれを食べずにとっておいた。
ベッドサイドのローテーブルの上に。
毎晩、私はそれをそっと指先でつまみ、ころころころころと弄んでから眠りにつく。
透明はすでに半透明になっていた。
あの人の尊い飴玉を汚してしまった罪は、
私を罪悪感でいっぱいにした。
特に、面と向かって話している時には。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、
私は心の中でつぶやき続ける。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
あんなに綺麗な輝きを放っていた黄金の飴玉を
私は曇らせてしまいました。
どうかこんな私を罰してください。
あなたの手で。
口で。
目で。
あの人はヘーゼルナッツ色をした大きな瞳を見開き、
私の涙を凝視した。
私はその瞳に吸い込まれそうになりながら
必死に彼を見つめた。
やがてあの人は麻の皺がよったズボンに手を突っ込むと
私の手を開かせて、
ころんと、
飴玉を置いた。
綺麗な黄金色の飴玉だった。

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