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犬を家族に迎える④~ハウストレーニング(後編)~

実践 ハウストレーニング

ハウスに慣れてきたら本格的なトレーニングのスタートです。
ここではおやつを使ったトレーニングを紹介します。
様々なトレーニングに共通する事ですが、基本は反復練習です。
成功したらご褒美、そして愛情を込めて褒めてあげる。これに尽きます。
簡単にいえば叱って伸ばすのではなく、褒めて伸ばしてあげる事を意識してください。

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ゆっくり じっくり 根気強く

まず愛犬におやつの匂いを嗅がせて、おやつを手に握りこんだままハウス内へ誘導してみてください。
愛犬がハウス内に全身入ってくれれば成功です。
注意しなくてはならないのは、愛犬を無理矢理ハウスに押し込んではいけないという事です。
前回も記載しましたが、ハウスは愛犬にとって安心して過ごせる場所でなくてはなりません。
それを訓練の段階から警戒されたり、嫌いになられたら意味がありません。
そして成功したらおやつを与えてたくさん褒めてあげてくださいね。
この際に「ハウス」と発声する事も忘れないでください。
飼い主の発する言葉や仕種で犬に指示を送る事を「コマンド」といいます。
最終的には飼い主の「ハウス」のコマンドで、おやつを使わずに愛犬がハウスに入る事が出来ればひとまず合格といえるでしょう。

ハウスに扉がある場合は扉を閉める訓練も行いましょう。
ハウスを覚えても扉が閉まるのを嫌がる子は多いものです。
愛犬がハウスに全身入っている状態でゆっくり扉を閉めてあげる。
上手くいったらご褒美をあげ、褒めてあげる。
基本は同じですね。
だだ重要なのは扉を「ゆっくり」閉めるという事です。
愛犬がハウスに入ってすぐにバタバタと扉を閉めてしまっては、「閉じ込められた!」「騙された!」というイメージを与えてしまいます。
繰り返しお伝えしますが、ハウスは愛犬にとっての安心出来る場所です。
愛犬がハウスを大好きでいてくれる様に、飼い主側が工夫していかなければなりません。

扉が閉まるのになれたら、次は扉が閉まった状態で過ごせる様にならねばなりません。
扉が閉まった状態で間隔を空けておやつを与えてみましょう。
最初は数秒おきに、それを数十秒、数分と間隔を広げていき、最終的にはおやつ無しでも扉が閉まったハウスで過ごせる様に訓練していきましょう。
実はハウストレーニングで最も躓きやすいのがこの工程です。
生き物は動かずにじっとしているとストレスを感じるものです。元気いっぱいの子犬であれば猶更ですね。
運動させた後や、排泄させた後の方が持続時間は伸びやすいです。
ゆっくりで良いのでハウスで過ごせる時間を伸ばしていきましょう。

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十犬十色の個性

最後に一つ覚えておいて欲しい事があります。
それは全ての犬に最適な躾けのマニュアルは存在しないという事です。

例えば人間に置き換えてみると分かりやすいかもしれません。
人間を教育する現場で全ての人に同じ様な訓練をして、同じ様に成長するでしょうか。
答えはNOです。
褒められて伸びる人もいれば、叱られて学ぶ人もいます。
ハードな訓練で大きな成長を見せる人もいれば、耐えきれず潰れてしまう人もいます。
得意分野、習得速度等、成長に要する時間や労力も様々です。
重要なのは犬にも人間にも各々に個性があるという事です。
一緒に過ごしていくうちに、愛犬のいろんな面が見えてくる事と思います。
「怖がりだからあまり叱り過ぎない方が良いな」「お調子者だから褒め過ぎると調子にのっちゃうな」等、愛犬の事がどんどんわかっていきます。
そんな中でその子に一番あったやり方が見えてくる事と思います。
ここで紹介するのはあくまで基本的な考え方、トレーニング方法です。
皆さんにはこれを応用して、愛犬に一番あったトレーニング法を見つけてあげて欲しいのです。

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