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絵本『おばあさんのすぷーん』/読み聞かせ

ある冬の日、おばあさんのすぷーんが、
カラスに取られて落っこちて、
3匹のねずみに見つけられる。

ねずみたちは、
ぴかぴか光るスプーンに興味津々。
顔を映して遊ぶうちに、
スプーンの中に落っこちる。

ねずみたちを乗せたスプーンのそりは、
山を滑ってジャンプして、
おばあさんの家へ飛び込んでいく。

リズミカルな文章がとても楽しい。

やまの なかの ちいさな いえに 
おばあさんが ひとりで すんでいた 
いつも ひとりで ぱん やいて 
すぷーんで すーぷを のんでいた

こんなリズムで
お話が描かれていきます。

絵は一見地味だけど、
お話とよく合っていて味わい深く、
読むたびにどんどん好きになります。

つむぐ 1歳10か月

つむぐには早いと思いつつ
読み聞かせてみると、
なぜか気に入りました。
最初から最後までじっと聞いています。

つむぐは、読んでいる途中に
「おもしろいねー!」と話しかけてきて、
ねずみが「どらどらどら」とスプーンに
近寄るところで笑います。

また、ねずみたちとおばあさんが
一緒にスープを飲む最後の絵を見て、
「からすがみてるねぇ!」と嬉しそうに言い、
読み終えると「もっと」とせがみます。

ある日の夕食前、
スプーンを出している妻を見た
つむぐが、突然叫びました。

:こら まて からす 
  だいじな すぷーんを かえしておくれ!
  けれど からすは しらんかお 
  やまの むこうへ とんでいった!

おばあさんが、
スプーンを取ったカラスを
追いかけるシーンです。

え、つむぐ、
そんな長い言葉を喋れたの
初めてじゃん・・・。
僕も妻もびっくりです。

同じ日、つむぐがカーキャリアの
おもちゃを動かして遊んでいるときには、

:ちゅっく ちゅっく ちゅり ちゅり
  きっく きっく たのしいな!

と楽しそうに口ずさんだものだから、
僕らはさらに驚きました。

ねずみがスプーンのそりで
滑っているときの歌なので、
カーキャリアを滑らせているときに
連想したのかもしれません。

つむぐはまだ、
ストーリーがわからないはずだけど、
言葉の面白さは
ちゃんと受け止めているんだね。

『おばあさんのすぷーん』
神沢利子さく、富山妙子え
福音館書店、1969年

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