雨ニモマケテ、風ニモマケテ。

特に好きでもない授業の先生の話を横耳に、横の窓を覗き込み、ポタポタと滴る水滴をぼーっと眺めるのが好きだった。

サッカー少年だった時も、どろんこにまみれながらボールを追いかけるのが好きで、汚れた分だけ頑張った証だと自分を褒めていた。

自転車通学の高校時代、カッパも着ずに制服のまま大雨の中を友達と帰り、途中で寄ったゲーセンで乾かしがてら遊んでいたのも懐かしい。

何かしら、雨に対してポジティブなイメージを抱いてきた人生だったけれども、あの日を境に完全に敵となってしまった。

喋る気象探知機、とも呼べるくらいに恐ろしいほど雨が降る前に敏感になった身体は、ズーンと心が重くなり、瞼が重くなり、終いには全身が重くなってくる。

そうすると、ポタポタと無数の水滴が空から降ってくる。

あんなにも好きだったものが、嫌いになる。

何かをずっと好き、なんてことは難しいのかな。

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