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医師。雪が降る町で在宅医療。 医療者でなければ出会わないこと。心動かされた出来事につい…

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医師。雪が降る町で在宅医療。 医療者でなければ出会わないこと。心動かされた出来事について。

最近の記事

訪問診療日記#4〜失敗を見届ける勇気〜

最近学んだことがあったので共有させていただきます。 結論は患者さんとの関わりと子育ては似ているということです。 エピソード患者さんは80台男性。 もともと認知症でしたが、奥さんの介護のもとなんとか生活している状況。 今年に入ってから、ある大きな病気をされたのですが、幸い大きな後遺症もなく、なんとか自宅に戻って来ました。 さあ、これから自宅で元通りの生活をというところでしたが、長い入院を経て、以前にもまして動かなくなってしまった患者さん。 我々としては、訪問看護や、

    • 訪問診療日記#3 〜memento mori〜

      こんばんは、Peisunです。 だいぶ今の仕事にも慣れてきました。 慣れてくると余裕も出てきて、見えてくるものの深みも増してくるものです。 どうせなら誰かに見てもらえたら嬉しいので、大して上手にまとめられるわけではないけれど、今日もここに。 写真は相変わらずランチです。 一目見て料理名がわかる方は同郷だと思います。 このテーマを深めたい今日のは長いです。 今日のタイトルは、壮大なテーマなので、この記事だけで終われるはずもありません。 ただ、この日記(全然更新し

      • 訪問診療日記#2 ~生活が見える医療~

        訪問診療をはじめてからは日が浅いのですが、急性期医療との大きな違いの一つがタイトルに挙げた生活に関することです。 画像は昼休みに食べるランチです。辛いラーメンでした。 問診 医療の世界には、問診というものがあります。 基本的に僕たちお医者さんがすることは、「診療行為」になり、 触れば「触診」、視れば「視診」、聴けば「聴診」です。 医師免許は、人体に干渉・介入することを許している数少ない免許なので、格好がつくように一応それっぽい名前がつくのです。 上記にならって、

        • 訪問診療日記#1

          こんばんは。Peisunです。 今日も患者さんとの日々を綴ります。 クリニックの患者さんには、元気な方から末期がんの方まで様々な人がいます。 在宅医療を受ける、と一口に言っても、それぞれのバックグラウンドは大きく異なっていて、裕福で、家族から愛されて自宅で一緒に暮らす人。 またそれとは対極に、生活保護を受け、身の回りの世話をしてくれる家族もなく、高齢者向けのグループホームで、静かに最期の時を待つ人。 それら両極端の間に無限の人生があることを知ります。 今日は、そん

        訪問診療日記#4〜失敗を見届ける勇気〜

          訪問診療日記♯0

          はじめまして。 NoteではPeisunとして活動?していきたいと思います。 名前の由来は我が家で飼っているうさちゃんのニックネームです。 タイトルから分かる通り、職業は医師です。 もともと、別な専門分野で仕事をしていたのですが、思うところあり在宅医療に興味・関心が移り、大幅なキャリアチェンジをして今に至ります。(この辺の心境の変化については追々・・・) これまで病院という閉鎖空間で働いていた自分が、逆に街中を駆け巡って診療に携わるようになった。 世界が180度ひ

          訪問診療日記♯0