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横並び主義

今、乙武洋匡さんの「子どもたちの未来を考えてみた」という本を読んでいる。

このままの学校教育でいいのか?

スポーツライターなどの経験も交え、乙武さんの人生が綴られている本だ。

乙武さんが教師として赴任してまず感じたのは「学校は9割が杞憂で出来ている」ということ。

クラスの皆で収穫したインゲンマメをその場で皆で食べず、持って帰ることに。

これでは家庭へ先送りしただけで、豊かの経験の機会を奪うことになる。

日本の学校は保守的で硬直化している象徴的な出来事だ。

確かに本来は子どもたちを育てていくうえで教師と保護者がパートナーとなって支え合う必要があるのに、疑心暗鬼になったり、敵対関係が垣間見えるのだ。

お互いに信頼関係を築く努力を行い、子供たちのチャレンジを後押しするべきだ。

また、私も特に違和感を感じたのは“横並び主義”のケース。

乙武さんは一組でクラスの目標を決める“お花見学級会”を開催。

すると、ある教師から「一組でやってしまったら二組ではあんな楽しそうなことをやっているのに」と羨む声が上がるからと批判。

子どもたちのリクエストがあるならそれらに真摯に向き合い、全力で答えて上げるのが本来の教師の仕事ではなかろうか?

また、素晴らしいアイデアを次々と提案してくれる子どもたちの多様性を取り入れて、クラスという共同体が育まれるのではないだろうか?

最近の日本の学校教育では未だに平等で足並みを揃えることが重視されている。

そこからは創造力は生まれないし、主体性を持って子どもたち自身が“問いかける”機会が失われる。

道徳が正式な教科になっても

「嘘をついてはいけません。」

「お友達と仲良くしましょう」は子どもたちも既に知っているので退屈でワクワクしない時間だ。

道徳で本来教えないといけないのは

「嘘って本当についていけないの?」

「仲良くするってどういうこと?」と自分がどういった価値観や信念で生きていくかを悩み、考えていく時間を作らないといけないのではないか?

だからこそ、特定の価値観が押し付けられるようなことがあってはならないと思う。


一人ひとりの個性に合った教育を掲げ実践するのは、多くの時間と労力が必要とされるが、

教育現場の横並び主義や教科内容を疑ってみることが教育改革の出発点となるのだろう。

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