円陣

パートナーに耳が痛いことを言う上で、本当に必要な覚悟とは?

 連投172日目。

 パートナーシップという言葉を聞けば、「信頼」「協力・協働」「感謝・承認」など、柔らかいイメージが伴っているかもしれませんが、「誠実」「厳格」「公平・公正」「忠実」といった柔らかさとは真逆の硬さも備わっています。

 自分たちが作りたい結果に対して、不誠実、不適切な言動があれば、相手に訂正を求めることが必要ですし、自分が訂正を求められれば引き受けることが必要になります。

 では、例えば、あなたが仕事のパートナーに訂正を求めるとき(以下、フィードバックと略す)のことを思い浮かべてください。特に、「これ、相手にとっては耳が痛いことだろうな」と思うようなことを言わなければならないという場面を想像してみましょう。

・フィードバックするのが初めてではない時
・以前、フィードバックをした時に不満げだったことを、もう一度言わなければいけない時
・悪気はないものの誤解を生んでいる言動に対してフィードバックする時
・作業のやり方が雑な人に、丁寧さを求める時
・笑い方や食べ方など個性に関わることにフィードバックが必要な時 等

 これは裏を返せば、自分が言われる側だとしたら、ヘコむし、受け取りがたくて、言われたくないこと、耳が痛いことだったりすることを、「相手も耳が痛いだろうな」と思うと、フィードバックする側に言いにくさが生まれるようです。

 ここでのポイントは、実際に相手にとって耳が痛いかどうか?ではなく、こちら側に言いにくさが生まれているという点です。

 この言いにくさを感じる時、コミュニケーションの“軸”が変なんです。
「耳が痛いことを言ってくる人と思われたくない」
「自分だったら言われたくないから言わない」
「相手の苦々しい反応を見たくない」
 
 これね、「お互いに耳が痛いことは言わないで、目をつぶり合って、表面的に争いごともなく、仲が良いと見られる関係でいよう」っていう意図の元で、パートナーとしているんだったら、この“軸”でもいいですよ。

 ただ、例えば、夫婦なら「お互いに信頼しあえる夫婦でいよう」「言いたいことを我慢することのない夫婦でいよう」といったことが意図ならば、真逆のコミュニケーションだし、仕事仲間なら「チームの士気を高める上でお互いに改善すべきところは改善していこう」「最高なサービスで世の中に貢献しよう」といったことが意図ならば、こちらも真逆のコミュニケーションということになります。

 パートナーとして相手と一緒に作りたい結果に敵う選択をする。

 あくまでも、それに反することや、ズレていると感じることを伝えることを「フィードバック」と呼ぶのです。

 そのくらい作りたい結果に対して誠実で、謙虚で、まっすぐであり続ける覚悟が、耳が痛いことを言う覚悟とも繋がっているのです。

 「自分は、本当に、作りたい結果にまっすぐだろうか?」

 この問いを、誰かにフィードバックをする前に、自分に投げかけてみるようにしましょう。
 そして、答えが「YES」なら、Good!です。
  
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