コーヒーブレイク

相手の気持ちに直接触れないコミュニケーション

 組織にパートナーシップの器を創り上げる組織コンサルタントのHOSUです。
 「組織コンサルタントHOSUのパートナーシップ論」も連投30日。今日からは角度を変えて、パートナーシップがあるとどんな状況になるか? 何が可能になるか? どんな結果が手に入るか?ということを触れていきます。

「今日は、会社休みます」

 最近は、仕事を休む連絡をLINEやメールでしてくる人も珍しくないとか。
 それどころか、告白もLINEで、別れ話もLINEだとか。別れ話なんて、LINEで一方的に切り出されて、あとは既読スルーか、ブロックで、「なんで?」という疑問が解消しないままで、モヤモヤを引きずっているっていう話も何人もの人から聞いたことがあります。

 そんな話を聞いて思うのは、ナマナマしいコミュニケーションをしなくていい状況が広がっているんだなぁってこと。

 会社休むのも、「スミマセン、今日は風邪気味で仕事休ませてください」という電話を入れたもんです。
 例えば、人が足りなくて休むのは申し訳ないなと思っていると、「上司になんて言われるだろう」「怒られるんじゃないか」「みんなはどんな風に思うだろうか」とあれこれ考えつつ、それらを乗り越えて電話をかけたもんです。
 そして、上司の声色から「あ〜やっぱり怒ってるなぁ」とか「本気で心配してくれてありがたいな」とか、リアルに感じる機会がありました。
 言ってみたら、【相手の気持ちに直接触れるコミュニケーション】がありましたが、LINEで文字のやり取りだけしていると、リアルに触れることがないですよね。

 文字は無機質。いくら絵文字やスタンプを入れても、それが本当にその人のリアルな感情を表しているかどうかは疑わしい。
 自分は角を立てず、丸く収めるために「いい加減にしてほしい!」と思っていても「しっかり治してね^^」と裏腹なことを返すことがある。
 だったら、相手もそうなんじゃないか・・・。

 こんな風に「推測」が飛び交うようになれば、直接の会話だろうがLINEだろうが関係なく、相手の反応をありのままに受け取ることが、やりにくくなってしまうよなと思うわけです。

推測を推測のままにしない

 「あの人、きっと本心は違うだろうな」

 こんな風に、捉えることってありますよね。これが湧いてくるということは、あなたの中に

 「本当は、こういう想いがあるんだけど言えないな」

 というのも同時に存在しているということです。

 率直な考え、正直な気持ちを言っていない自分がいると、相手もそうだろうとみてしまう。

 推測を推測のままにしておくことで、関係がギクシャクしたり、空間の居心地が悪くなってしまうことにつながるんだとしたら、やることはシンプルです。

 「推測を推測のままにせず、確認して明確にする」ことです。

パートナーシップがあると「居心地がいい」

 仮に、問題のとらえ方が違っていたり、解決方法が一致していなかったりしても、まずは「違うということを明らかにする」というステップは重要です。
 問題解決することばかりに意識がいく人や空間では、「意見が違う=対立」「A案 対 B案」のような構図で会話が進むことがありますが、その前に、「わたしたちは違う」ということが言えないと、「どうせ上司の意見が通るんだし、言ってもしかたない」となり、言っていないからその人の中では火種となってくすぶり続けるので、仕事や関係にも影響が出始めます。

 ほんと、いまのご時世、少し個性を出すと、重箱の隅をつつくようにバッシングされたりすることも珍しくありません。
 そんな世の中だからこそ、「自分を出さない(表現しない)」ことで身を守るという術を、無意識に身につけているなと思う人も少なくありません。

 しかし、その割には「わかってほしい」という気持ちも同時にもっていて、だからこそ、わかってくれる同質の仲間とだけつきあい、わかり合えないと感じる相手とは接触すら好まないなんてことも起きているように思います。

 でも、率直な考え、正直な気持ちが言えるパートナーシップがある職場であれば、「自分を出す」ことに怖さがある人も、少しずつ「言ってみてもいいかも」がつくられるでしょう。
 「言ってみたけど、まずはそのまま受け取ってもらえる」という体験をし、その上で意見や考えをすり合わせるので、相手の意見にも耳を傾けるし、自分の意見にも耳を傾けてもらえるから、心地よく仕事ができるという実感も得られるでしょう。

 職場にパートナーシップのあるコミュニケーションが広がることで、その職場が居心地がよくなり、自分のアイディアを言葉にできたり、悩みを相談できたりするーそんな職場を1ヶ所でも多く増やしていきたいというのがわたしの思いです。

記事に価値があると認めてもらえることは、何より嬉しいですし、とても力づけられます。いただいたサポートはパートナーシップの価値が大きくなる使い方につなげます。